インド新幹線、23年完成に黄信号? 難航する土地取得、現地ならではの事情も

出典:首相官邸ホームページ

 日本の新幹線方式で新設されるインドの高速鉄道計画に、大幅な遅延の可能性が出てきた。昨年完了する予定の土地取得が完了していないことが主な原因だ。補償金の低さなどからすでに複数件の訴訟に発展しており、2023年の完成は非現実的と見るメディアも出ている。

◆老朽路線の代替に期待大きく
 計画中の高速鉄道は、ビジネスと金融の中心地・ムンバイと、大規模なビジネス街であるアーメダバード間の約500キロを結ぶ。老朽化が目立つ現在の路線を走る列車は、最高速度の特急でも時速180キロに留まる。日本の新幹線方式を採用する高速鉄道は最高時速320キロでの営業運転を予定しており、これは現状のほぼ倍の速度だ。両都市間の移動に現状では約8時間かかるが、高速鉄道では2時間強から3時間弱と大幅な短縮を見込む。

 契約では日本側はプロジェクトに資金と技術を提供する契約になっており、運転士や信号設備のメンテナンス要員の訓練など、インド人スタッフの育成をすでに開始している。アーメダバード郊外のヴァドーダラーの訓練センターで実施するほか、数百人規模のスタッフを日本でのトレーニングに招待する計画だ(インディアン・エクスプレス紙)。

Text by 青葉やまと