日本支援のジャカルタ地下鉄、ついに開業へ 深刻な渋滞の緩和なるか

Arya Manggala / Shutterstock.com

◆自然災害も想定 日本の技術が生きる
 今回開業するのは、幹線道路沿いに作られた南北線のフェーズ1区間。ジャカルタ周辺都市圏南部のルバック・ブルスからダウンタウンのホテル・インドネシアまでの全長15.7キロを結ぶ路線だ。ルバック・ブルスからジャカルタのオフィス街までの通勤に現在90分かかるが、MRT利用で30分に短縮される。

 営業時間は午前5時から午前0時まで。通常は10分間隔だが、ラッシュアワーは5分間隔で運行される。料金は距離によって変わるが、SCMPによれば、最初の10キロが8500ルピア(約66円)。始発駅から終点まで乗れば1万2800ルピア(約100円)。運営会社では、1日13万人の利用を見込んでいる。

 フェーズ1の工費は16兆ルピア(約1300億円)で、国際協力機構(JICA)が円借款による資金協力を行った。車輌は日本車輌が製造しており、優先座席や車いす、ベビーカー用のスペースも確保されている。運行速度は地下部分で100キロ、高架部分では80キロとなる。ロイターによれば、ジャカルタMRTは、地震や洪水の被害を想定し、日本の基準を採用したそうだ。ジャカルタ都市高速鉄道公社のシルビア・ハリム氏によれば、トンネルや高架橋はマグニチュード8または同程度の災害に耐えることができる設計になっており、日本の技術が生かされている。

                                                                                                                 

◆試乗も好評 市民の期待高まる
 開業間近とはいえ、エスカレーターやエレベーター、空調設備などはまだ完成しておらず、周辺都市とMRTの駅をつなぐフィーダーバス路線などの整備不足も課題として上がっている。今年4月に行われる大統領選で、ジョコ大統領が自分の再選のためにジャカルタにMRTをもたらした手柄を強調すべく、開業を急いだのではないかという噂も流れている(CNA)。

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 それにもかかわらず、ジャカルタ市民のMRTへの期待は大きく、開業前の試乗を体験した人々は、おおむねポジティブな感想をメディアに語っている。SCMPによれば、市はさらにジャカルタと周辺都市を結ぶ5路線300キロのMRTを、2030年までに建設することを目指しているという。南北線のフェーズ2も、日本の協力でさらに北に延伸されることが決まっており、ジャカルタが東京やシンガポールのような移動に便利な都市に生まれ変わる日も近づいている。

Text by 山川 真智子

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