「中国が米車関税引き下げ」誇るトランプ氏、冷たい米メディア「得するのは日欧」

Pablo Martinez Monsivais / AP Photo

◆現地生産拡大 関税ゼロでも期待薄
 多くの自動車メーカーが中国での現地生産に移行していることも忘れてはいけない。日米欧の大手はすでに中国企業との合弁で現地生産をしており、その比率は高まっている。さらに中国政府が合弁のルールを緩和すると発表した後は、安い労働力を利用しつつ、貿易障壁も回避できるという理由で、ますます現地生産拡大を計画する企業が増えているとVergeは指摘している。

 Voxも、現地生産が進んだ結果、もともと関税対象になるアメリカ車は減っており、関税ゼロになっても、アメリカの中国向け輸出における影響は軽微だと見ている。アメリカが最も恩恵を受ける唯一の方法は、米中自由貿易協定を結び、アメリカだけに関税ゼロなどが適用されることだとするが、関税障壁削減だけでも難航している今、複雑で膨大な自由貿易協定など締結できるはずもないというのが大方の識者の見方だ。

◆トランプ氏フライング? 具体的中身は誰も語らず
 トランプ氏はツイッターで手柄を自慢したが、クロドー米国家経済会議委員長は、関税は下がるだろうとしながらも、具体的なことは何も決まっていないと発言した。中国外交部の報道官は、この件に関しては関係部署に質問してほしいとコメントし、管轄である商務部も、コメントを求めるファクスに返答しなかったとCNNは報じている。結局中国がトランプ氏をなだめるために、うわべだけのジェスチャーとして関税引き下げを匂わせたのではないかとVoxは見ている。

                                                                                                                 

 アメリカで生産した自動車を中国に輸出するドイツ企業は、40%の関税を受け利益の減少に苦しんでいたが、今回のトランプ氏のツイートで株価が大幅に上昇したと報じられている。企業はトランプ氏の行動やツイートに一喜一憂せざるを得ない立場になっているだけに、大統領としてより慎重な発言を求めたいところだ。

Text by 山川 真智子

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