AI活用で22年までに収益38%、雇用水準10%向上可能か アクセンチュア調査

Photo by Alex Knight on Unsplash

 総合コンサルティング会社のアクセンチュアは、レポート「人とインテリジェント・オートメーション:未来のワークフォース改革」を発表した。それによると、業績トップレベルの企業はAI への投資を生産性と収益の向上に効果的につなげている傾向性がみられ、一般企業もそのような企業と同じレベルでAIへの投資を行い、高い生産性を実現することができれば、その企業は2022年までに収益を38%、雇用水準を10%向上させることが可能だと推定さされている。

 これを世界市場でみると、2022年までに全世界で4兆8,000億米ドルもの収益が生まれる計算となり、平均的なS&P500企業においては、75億米ドルの収益増、8億8,000万米ドルの利益拡大につながると予測される。

 先進的な企業は、人と機械の協業を業務の効率化に活用するのみならず、新たな顧客体験の創出を図ることで企業成長につなげている。例えばあるオンライン衣料品店では、スタイリストがAIを活用して顧客の好みを学習し、高度にパーソナライズされた独自のサービスを提供している。また、あるスポーツシューズブランドは、熟練した靴職人とプロセスエンジニアをインテリジェントロボットと連携させることで、デザイン設計から製作までを行い、製品のカスタマイズと迅速な市場投入を実現している。

                                                                                                                 

 本レポートによると、企業経営幹部と労働者はいずれも、AIが業績や仕事に与える影響を好意的に捉えていることがわかったという。調査対象の企業経営幹部1,200人のうち72%が、インテリジェントテクノロジーは自社の差別化要因として不可欠であると回答しており、61%が、AIの活用が必要となる作業の比率は今後3年間で増加すると考えている。さらに、調査対象の労働者14,000人のうち3分の2以上(69%)が、インテリジェント テクノロジーを活用するためのスキルを身につけることが重要だと回答している。

 しかしながら、労働者がAIの活用に前向きであるのに対し、雇用主である企業経営者はその必要性を認識しながらも、従業員のAI活用に必要な支援ができておらず、企業は十分な成長を実現できない恐れがあるという。企業経営幹部の過半数(54%)が、人と機械の協業は自社の戦略的優先事項であると回答したものの、今後3年間で従業員のスキル向上を目的とした投資を大幅に拡大すると答えた企業経営幹部は、わずか3%であった。

 アクセンチュア・ストラテジーのグループ・チーフエグゼクティブであるマーク・ニックレム氏は、次のように述べた。

「AI時代に企業が高い成長率を達成するためには、従業員が新しい方法で機械と協業できるよう、投資を拡大することが必要です。今日多くの企業は、先進技術と人の創意工夫のバランスを取ることで成長を確保する能力、いわゆる“アプライド・インテリジェンス”にどのように取り組んでいるかで評価される傾向にあります。今後企業はますます業務アプライド・インテリジェンスを推進することが、求められていくことでしょう」

Text by 酒田 宗一

Recommends