外資企業への圧力強める中国共産党 経営に介入する試みも

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 共産党は 2013年に初めて、資源配分に際して市場の力が「決定的な役割」を果たすと公言し、企業関係者はこれを歓迎した。しかし一方で、外部からみると無駄や汚職にまつわる失望につながりかねない方法で国営産業に対する直接的な統制を強めるとも発言していた。

 共産党のウェブサイトによると、習近平国家主席は12月に行われた政治局への報告の中で「経済活動に占める共産党の指導力を強化」するよう求めたという。

 党の主要学術機関誌である「求是」でも、開発戦略としての民営化を非難するブログ記事を掲載してこの動きに続いた。

「共産党員は自分たちの理論を一言で要約できる。それは私的所有の排除だ」と北京にある共産党の中国人民大学でマルクス主義を専門としている周新城(Zhou Xincheng)教授は話している。

 そのような政治的取り組みの実施に係る経済的な費用が削減されるだろうという反応を返すとみられる共産党員や政府高官たちは、費用問題を軽視し、習近平氏の運動に忠実であることを示さなくてはならない圧力を感じているのだと、企業関係者は述べている。

 こうした要素が全て、減速する中国経済に加え評判が芳しくない一連の規制の障壁に直面している外資系企業の負担となる。

 先週のマリオットやファッションブランドのザラ、デルタ航空、医療機器メーカーのメドトロニックに対する中国政府の非難には、外交政策に関する強硬な姿勢と台湾問題についての神経質な主張が反映されていた。中国はここ数ヶ月、外国の領空近くに戦闘機や爆撃機を派遣しており、台湾だけでなく日本や韓国に対応を迫っている。

 マリオットは1週間もウェブサイトの閉鎖を余儀なくされたほか、他の企業も公式な謝罪を要求された。国営の新華社通信は、チベットに関する話題に「いいね」した社員を解雇するとしたマリオット役員の発言を引用した。

 こうした企業に対する措置をロッテと比較すると、それほど重くなかったようだ。

Text by AP