CFO意識調査:日本経済について注目すべき動きは「北朝鮮情勢」が最多

Igorsky/shutterstock.com

 デロイト トーマツ グループは、CFOの意識調査を「Deloitte CFO Signals」として四半期毎に実施しており、60社のCFOを対象に2017年10月に実施された最新調査では、継続的な経済環境調査に加え、新たに経営管理・業績管理における課題等を調査している。

◆経済環境の最大の懸念は北朝鮮情勢
 3ヶ月前と比較した各社の景況感は、ほぼ4分の3に相当する76%が「概して変わっていない」との回答だった。日米欧ともに堅調な経済成長と、株価上昇などの良好な金融市場環境が続いたことが安定した景況感の背景と考えられるという。財政的・経済的な不確実性の見通しについては不確実性が「非常に高い」「高い」との回答合計が52%で、2017年1月実施調査から3四半期連続で低下しているものの、全体の半数以上の会社は不確実性が引き続き高いとみているようだ。

main

デロイト トーマツ グループ

 今後1年間の事業展開を展望するうえで注目される日本経済の動きとしては、日本にとって最も緊迫した地政学リスクである「北朝鮮情勢緊迫化」を67%が注目すべき動きに挙げ、最大の注目ポイントとなった。これに続き「働き方改革」「人手不足」「フィンテック・AI」「日本銀行の出口議論」などが挙げられたが、総じて広い範囲に回答が分散している。「働き方改革の影響」は前回(2017年7月調査)の第1位に続き、今回も第2位と多くの関心を集めたこと、また「雇用市場タイト化による人手不足」が第3位に入っていることと合わせ、労務関連の課題が引き続き各社の関心であることがわかる。

◆属人的なエクセル経営数値管理からシステム利用へ
 経営管理、業績管理についての課題や懸念としては、予算や業績予測の精度を課題として挙げた回答はそれぞれ4分の1を下回っており、概ね期待した精度が保たれているようだ。むしろ、CFOの課題感としては、業績評価や経営分析に資する数値が必ずしも満足に示されていないことが上回っている。

main

デロイト トーマツ グループ

 また、経営管理数値の取りまとめ、資料作成にどの程度の作業を介しているのかについても調査されている。経理システムから実績数値を取り出して、それをエクセル等で加工してるといった作成状況はほぼ変わっていないものの、今回の回答で見るべきは、ほぼエクセルという回答を、エクセル以外にデータ収集ツールやレポーティングツールを開発、という回答がわずかに上回ったことだ。SAP BPCやOracle Hyperionを利用しているという回答と合わせると、システムの利用が進んでいることが伺える。他方で、経理システムの数字がそのまま利用できるという回答は2%しかなく、情報系のシステムを使うにせよ、何らかの作業を介した管理情報の収集と編集をしているのが実態のようだ。

Text by 酒田宗一

Recommends