日本の国際競争力、6位に上昇 ビジネス環境が評価も、巨額財政赤字がネックに

 ダボス会議で知られるスイスの研究機関、世界経済フォーラム(WEF)が3日、国際競争力ランキングを発表した。144ヶ国・地域を対象に、インフラ、医療・教育、市場の規模、マクロ経済環境等の分野で競争力を調査している。

 1位は6年連続でスイス。昨年9位だった日本は、6位となった。企業活動や良好なビジネス環境が高く評価された一方、マクロ経済の脆弱性などがマイナス要因になった。

【日本はビジネス環境が評価、経済状況は厳しい】
 日本は、評価対象の12項目のうちほとんどで、スコア5から6をマークしている(最大は7)。

 特に、高度なビジネス環境が評価されており、総合5.8ポイントで1位だった。サプライヤーの質・量、バリューチェーンなどが要因だ。健康と初等教育も評価が高く、総合6.6ポイントで6位だった。

 一方、経済状況は厳しい評価を受け、総合3.6ポイントで127位だった。公的債務の水準はGDPの240%で、143位。ほぼ最下位だった。またアベノミクスで注目されている女性の労働参加については、88位と低い順位にとどまっている。

【各国の順位】
 1位はスイス、以下順にシンガポール、アメリカ、フィンランド、ドイツ、と続く。トップ10の顔触れは昨年から変わらなかった。

 中国は昨年から1つ順位を上げて28位。主要新興国BRICSの中で最上位となった。WEFの経済学者で、アジア地域のレポートを担当するThierry Geiger氏は、インフラ、教育、政府など基本的な要素において、中国の安定したパフォーマンスが評価された、と新華社にコメントしている。今後市場の効率性を高めていくべきとも指摘した。

 韓国は昨年の25位から順位を落として26位。インドは昨年の60位から71位となり、BRICSの中で最下位となった。

【調査結果の分析】
 WEFのレポートでは、ヨーロッパにおける競争力の較差を懸念している。今回のランキングでは、北部のフィンランドやドイツは競争力が高く、南部のスペイン、ポルトガル、ギリシャなどは低かった。「改革を実施している国とそうでない国の差が明らかになってきた」、と分析されている。

 また世界経済の状態も危機にあると指摘する。「異なる発展状況にあるそれぞれの地域における異なる構造改革は、世界成長を保持する上で障害になっている」、と言う。WEFのクラウス・シュワブ会長は、「緊迫した状態の政治、収入の格差の広がり、さらに厳しくなる可能性のある金融状況は、暫定的な回復を危険にさらす。持続可能で包括的な成長を進めるために、構造改革が必要だ」と話した。

日本経済論―「国際競争力」という幻想 (松原 隆一郎) [amazon]

Text by NewSphere 編集部