楽天、ガンホーも対象銘柄に…新株価指数「JPX日経400」のねらいを海外紙が分析

 6日、日本経済新聞社・日本取引所グループ・東京証券取引所が、新株価指数「JPX日経インデックス400(JPX日経400)」を発表した。来年1月6日より運用開始予定。

 400構成銘柄は毎年見直される。タイペイ・タイムズ紙が「国で最高の企業を紹介することを目指した」と評するなど、経済状況の指標というよりは、海外投資誘致のためのオススメ投資先という性格のようだ。

【選定の背景は、日本企業が海外投資家に”優しくない”こと】
 JPX日経400の選定基準は、過去3年間の自己資本利益率(ROE=投資効率の目安)、コーポレートガバナンスの良好さ、国際財務報告基準の準拠や英文レポートの有無など投資家への配慮度合い、といったものになっている。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、日本企業は海外投資家の求めに反し、こうした点を重視してこなかったと指摘している。東証株価指数(TOPIX)500社の今後12ヶ月間の予測ROEは平均9%で、S&P500社の22%、ストックス欧州600社の17%に対して大きく劣る。生命保険協会が3月に発表した調査では、37%の企業しかROE目標を提示しておらず、2008年の50%よりも下がっている。15%の企業は、自社の資本コスト(配当や利息を賄うための必要最低利益率)さえ把握していなかった。

 同紙によると、こうしたROE追求努力が国内から生じていることは、成功の可能性が高いことを意味するという。

【楽天、ガンホーなど新興銘柄も対象に パナ、東電などは選ばれず】
 JPX日経400には、既にTOPIXや日経平均に名を連ねる大企業が多いが、USEN、VTホールディングス、楽天、ガンホーなど、マザーズやJASDAQの高成長新興銘柄も含まれる。

 一方で、パナソニック、マツダ、東京電力などは選ばれなかった。

 この日、日経平均やTOPIXが全体に下落傾向だったのに対して、これらJPX日経400に選ばれた銘柄は急騰した。

【ROEの高い会社はむしろダメ?】
 世界最大の機関投資家、年金積立金管理運用独立行政法人GPIFに助言する有識者会議はすでに、投資リターンの評価ベンチマークにTOPIXではなくJPX日経400を用いるよう、勧告する見込みとなっている。

 しかしロイターによると、他のトレーダーらはまだ慎重なようだ。シティグループは先月、日本ではROEの高い株が必ずしも高い投資リターンを実現してはいないと報告している。むしろTOPIXにおけるROE上位5分の1のグループは一番成績が悪く、おそらく既に高評価であるがゆえの伸びしろのなさが原因だろうという。

Text by NewSphere 編集部