『ミッドサマー』性の儀式をネタバレ解説!概要から舞台裏まで紹介

『ミッドサマー』性の儀式をネタバレ解説!概要から舞台裏まで紹介

Michael R Helland / Shutterstock.com

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映画『ミッドサマー』に出てくる性の儀式が気になるが、「気持ちが悪い」という口コミを見て不安になっている方は多いだろう。観たくないシーンを、いきなり映像で観ることに嫌悪感があるのも仕方のないことだ。

そこで今回は、画像で見る方法があるのかを含めて、性の儀式の疑問について回答していく。なお、本文にはネタバレが含まれていることを承知の上、読み進めてほしい。

映画『ミッドサマー』の概要

公開年2019年
製作国アメリカ
上映時間147分
視聴制限R-15+指定
監督アリ・アスター
脚本アリ・アスター
キャストフローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ウィル・ポールター、ビョルン・アンドレセン
公式SNSTwitter @midsommarjp

『ミッドサマー』は2019年に公開された、サスペンス・ホラー映画である。日本では2020年に公開された。

家族のことで精神的に不安定な主人公のダニーと、恋人のクリスチャンが抱える問題を描くところから物語は始まる。クリスチャンは同じ大学の男友達3人に誘われて、スウェーデン旅行を計画していた。ダニーには黙って行くつもりだったが、ふとしたきっかけで一緒に行くことになる。

そして、ダニーとクリスチャンを含む5人の大学生は、スウェーデンの奥地で「90年に1度だけ行われる」という祝祭を見に行く。しかし、参加した祭りはただの夏至祭ではなく、カルト宗教のイベントだった。徐々に祭りの真相が明らかになっていき、学生たちは想像もしなかった恐怖に直面する。

『ミッドサマー』で話題になった性の儀式【ネタバレ】

『ミッドサマー』の終盤には、性の儀式と呼ばれているシーンがある。異様な光景から話題にもなったこのシーンについて、詳しく解説していく。

性の儀式とは何?

性の儀式とは、村に外部からの血縁を取り入れるための儀式である。村人だけで子孫を残し続けると血が濃くなり、障害を持つ子が生まれてしまう可能性が高まるため行われている。村には受け入れ役の若い女性がいて、気に入った男性を選ぶ。選ばれた男性は、性交するように村人によって仕向けられていくという流れだ。

ダニーの彼氏であるクリスチャンは、受け入れ役のマヤに気に入られてしまい、性の儀式の対象者に選ばれる。クリスチャンは村人に誘導される形で儀式に参加させられるが、最後は自分の意思でマヤと性交する。

性の儀式は、祭司と村の女性に見守られながら行われるため、村人たちにとっては神聖な儀式であることが分かる。

なぜ性の儀式は気持ち悪いと言われている?

不気味に感じる点は2つある。1つ目は、性の儀式が全裸の女性たちに囲まれながら行われていることである。全員で合唱をするシーンは、まるで受け入れ役のマヤを応援するかのようであり、2人が逃げられない状況を作っているようにも見える。性交するマヤとクリスチャンを、儀式に参加している全員が後押ししている点が際立つので、異様さを感じてしまう。

2つ目の理由は、性行為の最中に周りにいる女性の一人がマヤの手を取り、2人を励ますシーンが描かれていることである。他人が性交している目の前で、クリスチャンを見つめながら歌う姿が印象的だ。戸惑いを見せるクリスチャンだが、引くに引けない状況にさせられている。

日本人の価値観からすると、性交は自然にするものであって無理強いされるものではない。また、他の人に見守られながら性行為をするのは考えられない光景だ。現代でもこのような儀式が行われている点に嫌悪感を覚えてしまうのだろう。

性の儀式は本当に行われている?

性の儀式は映画上のフィクションであり、モデルになったスウェーデンの夏至祭では行われていないので安心してほしい。スウェーデンの夏至祭は夏の到来を祝う伝統的なお祭りであり、家族や友人と踊ったり、食事を楽しんだりするものだ。

ただし、一部の宗教では性行為に関する儀式が行われているようだ。また、昔の民族では子孫を残すために性的慣習が行われていた、という歴史上の事実もある。映画の儀式もどこかの宗教や、昔の民族をモデルにしていると推測できる。

性の儀式を画像で見る方法はある?

Googleで検索しても、性の儀式のメインシーンはヒットしない。出演者のプライバシーにも配慮すべきシーンなので、検索結果に出てこないのだろう。

性の儀式を動画で観ることに抵抗を感じているのなら、性の儀式が行われている時間帯を飛ばすか、早送りで観ることをおすすめする。なお、通常版は下腹部にモザイクがかけられており、性器が見えることはない。

性の儀式は何分から?

映画『ミッドサマー』には、通常版とディレクターズカット版の2種類がある。性の儀式が流れる時間は以下の通り。

通常版1時間48分50秒あたり〜2時間7分20秒あたり
ディレクターズカット版2時間21分30秒あたり〜2時間30分00秒あたり

祭司である村人が、クリスチャンに煙を嗅がせるシーンの後から性の儀式が始まる。このシーンは性行為をさせられるという描写だけなので、飛ばしたとしても物語の全体像は把握できる。

なお、性の儀式のシーンだけを観ても、苦しむクリスチャンの心情を知ることはできない。映画を最初から鑑賞して、クリスチャンが性の儀式に参加してしまうまでの過程を理解しながら視聴してみてほしい。

性の儀式では出血シーンがある?

儀式の最中に流血シーンはないが、性行為が終わった後にクリスチャンが部屋から飛び出すシーンで彼の性器に血が付着している。性交した相手のマヤが、処女であることを示すための描写だ。

なお、確認できるのはディレクターズカット版のみで、通常版にはモザイクがかけられているため目にすることはない。『ミッドサマー』はホラー映画のジャンルであり、性の儀式以外でも刺激の強いシーンがある点には注意してほしい。

ディレクターズカット版の性の儀式は何が違う?

ディレクターズカット版になっても、性の儀式自体はモザイクがあるかないかの違いだけである。

上映時間が約23分延びて170分になっているのは、祭りの目的が説明されるシーンや、登場人物のやり取りが追加されているからである。通常版ではくみ取れなかった登場人物の背景や考え方が分かり、物語への理解がより深まるだろう。

性の儀式における壮絶な舞台裏

性の儀式の撮影には2週間もかかっており、クリスチャン役のジャック・レイナーは精神的に追い詰められたようだ。14日もの間、村人に洗脳されていくクリスチャンになりきり、屈辱的なシーンを撮影したことには相当な苦労があったことが分かる。

また、性の儀式を目撃してしまったダニーが、泣き叫ぶシーンを撮影するのには2時間もかかったようで、現場の壮絶さが伝わってくる。映画を観ている人が狂気を感じるのも納得だ。

『ミッドサマー』を配信している動画サービス

動画サービス通常版(2019年)ディレクターズカット版(2020年)
Amazonプライム見放題レンタル
U-NEXT見放題見放題
dTV見放題配信なし
Hulu見放題配信なし
Netflix見放題見放題

『ミッドサマー』の通常版とディレクターズカット版の両方が観られるのは、U-NEXTとNetflixだけである。

気持ち悪い描写が苦手なら性の儀式はスキップしよう

『ミッドサマー』は不気味さが特徴のホラー映画である。性の儀式のシーンは観る人によって「シュールで笑ってしまった」「胸糞悪い」のように、感想が分かれている。映画のシーンを現実世界に投影してしまうことで、後味の悪さを感じてしまうのだろう。

映画のストーリーを楽しみたいのであれば、無理に観る必要はない。性の儀式は作中の一コマにすぎないからだ。

しかし、性の儀式のシーンが苦手というだけで『ミッドサマー』を観ないのはもったいない。配信サービスであれば、映画館と違って容易にスキップできる。自分に合う形で映画を鑑賞していこう。

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Text by NewSphere 編集部