ジョーカーを演じた俳優たち|『バットマン』シリーズの歴代ジョーカーを紹介

ジョーカーを演じた俳優たち|『バットマン』シリーズの歴代ジョーカーを紹介

Faiz Zaki / Shutterstock.com

ヒーロー映画には、ヴィランの存在が欠かせない。主人公の前に立ちはだかる強大な敵の存在は主人公のピンチを演出し、それを乗り越えさせることで大きなカタルシスを生み出す。その代表的なヴィランが、『バットマン』シリーズに登場するジョーカーだ。

本記事では、世界的にも有名なヴィランキャラクターであるジョーカーと、過去にジョーカーを演じた俳優について取り上げる。

ジョーカーとは?

ジョーカーとは?

Studio MDF / Shutterstock.com

ジョーカーとは、人気アメコミである『バットマン』シリーズに登場するヴィランである。作中では歪んだユーモアを持ったサイコパスとして描かれており、主人公であるバットマンの前に何度も立ちはだかることになる、宿命のライバルのような存在だ。

その名の通りトランプに描かれているジョーカーのような容姿をしており、緑色の髪の毛と白い肌と耳まで裂けた真っ赤な口がトレードマークになっている。これは工場の化学薬品の溶液に落ちた結果、皮膚や髪の毛が変色し、口も裂けてしまったという設定に基づく。

世界的に最も有名なヴィランの一人で、さまざまなオリジン・ストーリーが作成されている。

ジョーカーを演じた歴代俳優たち

ジョーカーを演じた歴代俳優たち

ilikeyellow / Shutterstock.com

バットマンが映像化されて以来、ジョーカーは数多くの俳優たちによって演じられてきた。ここでは、中でも特に評価が高い俳優たちについて取り上げる。

シーザー・ロメロ

シーザー・ロメロ

Sirichai Rattanaphanakul / Shutterstock.com

初めて映像化された1966年公開のドラマ版『バットマン』でジョーカーを演じたのは、当時59歳だったシーザー・ロメロだ。

コメディアン俳優としてテレビや映画を中心に活躍していたが、1994年に肺炎が原因で死去。享年86歳だった。

シーザー・ロメロが演じたジョーカーの特徴は、他作品にはないコミカルさだ。

ドラマ版『バットマン』自体がコメディ色の強い作品で、ジョーカーも悪役なのにどこか憎めないキャラクターとして描かれている。

緑色の髪の毛や白塗りの顔、真っ赤な口を開けて笑うなど、のちのジョーカーのパブリックイメージとなる基本デザインや設定が出来上がっており、シリーズファンは必見だ。

ちなみに、シーザー・ロメロが演じているジョーカーは白塗りの顔にうっすらと髭が生えているのが特徴だが、これはシーザー・ロメロ本人が髭を剃ることを拒否したことが原因である。

ジャック・ニコルソン

ジャック・ニコルソン

360b / Shutterstock.com

現在までに映像化されたジョーカーの中で、1989年公開の映画『バットマン』は原作のジョーカーに最も近いといわれている。本作でティム・バートン監督とタッグを組んでジョーカーを演じたのが、ジャック・ニコルソンだ。

初代ジョーカーのシーザー・ロメロ、2008年公開の『ダークナイト』でジョーカーを演じたヒース・レジャーと合わせて、3人のジョーカーと呼ばれている。

コミカルさと残虐性という矛盾した要素を両立し、独自の魅力を確立することに成功したのが、ジャック・ニコルソンが演じるジョーカーの特徴だ。

元マフィアのナンバー2という設定通り、頭の回転がとてつもなく早い。さらに無差別殺人を躊躇いもなく実行しようとするなど残虐性も強く、ヴィランらしいキャラクターに仕上がっている。

一方でパレードしながら登場したり、遊び心のある武器を自作したりと、シーザー・ロメロ版のジョーカーを彷彿とさせるコミカルな面も垣間見える。

ヒース・レジャー

ヒース・レジャー

Jomic / Shutterstock.com

歴代のジョーカーでもトップクラスの人気と評価を獲得しているのが、2008年公開の映画『ダークナイト』でヒース・レジャーが演じたジョーカーだ。

若くしてジョーカーに抜擢されると、重厚感ある怪演でアカデミー賞にもノミネートされた。続編も含めて将来を嘱望されたが、28歳で急性薬物中毒が原因で死去する。

その最期も、彼の演じたジョーカーが伝説的に語られる要因となった。

特別なバックグラウンドを持たない純粋な悪として描写されているのが、ヒース・レジャー演じるジョーカーの特徴である。

原作通りの頭の回転の早さを見せ、作中何度もバットマンや警察を出し抜くことに成功した。その様は憎たらしくもあり、敵ながら思わず賞賛の声をあげてしまうほどだ。

ちなみに、ヒース・レジャーはサイコパスの専門書を読み漁り、ジョーカーとして日記をつけるほど徹底した役作りを行っていたらしい。

ジャレッド・レト

従来のジョーカーからのイメージの脱却を目指したのが、2016年公開の映画『スーサイド・スクワッド』で、ジョーカーを演じたジャレッド・レトだ。

徹底した役作りを行う俳優として知られており、ジョーカーを演じる際も精神病質者や犯罪者たちと面会し、ジョーカーに対する理解を深めようとした。

ジャレッド・レトのジョーカーは、従来のジョーカーのキャラクターとはビジュアルも含めてかなり異なっており、賛否が分かれている。これは『ダークナイト』でジョーカーを演じたヒース・レジャーの演技の印象を少しでも払拭しようとした結果らしい。

また、作中ではメインキャラクターの一人としてではなく、脇役として扱われている。一応見せ場はあるものの、従来の作品と比較すると活躍はやはり少ない。そのため、ジョーカーの活躍が見たい一部のファンからひんしゅくを買ってしまった。

キャメロン・モナハン

モデルとしても活動しているキャメロン・モナハンも、ジョーカーを演じた俳優の一人だ。

2014年公開のドラマ『ゴッサム』にて歴代屈指の不気味なビジュアルのジョーカーを演じており、公式が公開したファーストルックを見て驚愕したファンも多い。

しかも、ジョーカーを演じた当時の年齢は26歳。今後の活躍にも期待がかかる。

キャメロン・モナハンのジョーカーは、造形の不気味さはもちろん、ヒース・レジャークラスの狂気じみた怪演が高く評価されている。演技やしゃべりのアクセントにジャック・ニコルソンが演じたジョーカーを意識している部分が見られ、共通点を探すのも一興だ。

また、作中にも意外な仕掛けが施されており、誰もがその意外な展開に驚かされるだろう。気になる人は一度シリーズを見ることをおすすめする。

ホアキン・フェニックス

2019年に公開された映画『ジョーカー』はジョーカーのオリジンに迫った作品で、国内外で大きな話題を呼んだ。

本作で主役のジョーカーを演じたのがホアキン・フェニックスで、その強烈なインパクトを残す演技によって第92回アカデミー賞で主演男優賞を受賞した。続編の製作も決まっており、ファンの期待も大きい作品だ。

本作では、従来の作品とは異なる切り口からジョーカーが描かれているのが大きな特徴である。

善良な一人の男が、社会から見捨てられダークサイドに堕ちていく様は、現実でも起こりそうなリアリティがある。

同情すべき点もあり、また軽蔑すべき点も持ち合わせている、複雑なキャラクターだ。

個性的な悪役であるジョーカーの魅力に触れよう

個性的な悪役であるジョーカーの魅力に触れよう

TinoFotografie / Shutterstock.com

ジョーカーが誕生して、すでに80年以上が経過した。その間に数多くの役者がジョーカーに命を吹き込み、それぞれが唯一の個性を持ったキャラクターへ昇華することに成功している。役者たちのキャラクターに対する献身があってこそ、今日のジョーカー人気があるのだ。今後ジョーカーを演じる役者が、どのようなジョーカーを生み出してくれるのか、今から楽しみで仕方ない。

あなたにおすすめの記事

「ヴォルデモート卿」を演じた俳優陣|『ハリー・ポッター』の象徴的な悪役

グリンデルバルドは危険で冷酷な魔法使い?宿敵との関係から見える素顔とは

アンチヒーロー映画『デッドプール』を総復習 気になる今後の展開も考察

『スパイダーマン』が想いを寄せるヒロインMJ(メリー・ジェーン)を一挙紹介

『スターウォーズ』人物相関図|旧・新・続三部作に分けてわかりやすく紹介

Text by NewSphere 編集部