映画『インセプション』ラストの真相 終わりなき議論を徹底考察
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クリストファー・ノーラン監督の映画『インセプション』は、全世界で人気を博したSFアクション映画だ。主演をレオナルド・ディカプリオが務め、豪華俳優陣を集結させたキャスティングに注目が集まった。
さらに大きな話題を呼んだのが、映画のラストシーンである。レオナルド演じるコブは、現実世界へ戻ったのか?はたまた夢の中なのか?今もなお議論され続けているテーマだ。本記事では、ラストの解釈を巡る疑問を紐解いていく。
目次
映画『インセプション』とは?
『インセプション』は、クリストファー・ノーラン監督が20年以上構想期間をかけて完成した作品である。映画のテーマは「夢と現実」。劇中にちりばめられた数々のトリック、複雑な構造で緻密に作り込まれた物語は、多くの映画ファンをうならせた。キャッチコピーは「お前の頭へ侵入する」「犯罪現場は、お前の頭の中」。
そして、豪華なキャスティングも話題となった。主要キャストは以下の通りだ。
主要メンバー | キャスト |
ドム・コブ(主人公) | レオナルド・ディカプリオ |
アーサー | ジョセフ・ゴードン=レヴィット |
アリアドネ | エレン・ペイジ |
イームス | トム・バーディー |
サイトー | 渡辺謙 |
ユスフ | ディリープ・ラオ |
ロバート・フィッシャー | キリアン・マーフィー |
ブラウニング | トム・ベレンジャー |
モル | マリオン・コティヤール |
マイルズ | マイケル・ケイン |
ナッシュ | ルーカス・ハース |
『インセプション』のあらすじ
情報を盗む技術「インセプション」を使い、他人の夢の中に侵入してアイディアを盗みだす。コブ演じるレオナルド・ディカプリオは、その才能ゆえに最愛の妻(モル)を失い、国際指名手犯となってしまう。コブは、渡辺謙演じる日本の実業家、サイトーから不可能とも思える仕事のオファーを受ける。
コブは優秀な仲間を集め、ミッションを果たすべく、多重構想の夢の中へ侵入していく。ミッションは、サイトーのライバル企業を倒産に追い込むこと。そのためには、ライバル企業の会長の息子(ロバート)に「会社を倒産させる」というアイディアを植え付けなければいけない。
ミッションをコンプリートすれば、コブの国際指名手配は取り消され、アメリカに戻ることができる。最愛の幼い子どもたちのもとへ帰れるのだ。
ストーリーを通じて、コブが抱いているモルへの「罪悪感」にもぜひ注目して欲しい。
『インセプション』の重要な設定
『インセプション』には、複雑なルールがいくつか存在する。目的はシンプルだが、物語は複雑なストーリー展開で進んでいく。次から次へと、他人の夢の中に入り込んでいくのだ。
そのため、基本的なルールを理解していないと解読困難である。複数のシーンが同時に進行していくため、油断していると置いてけぼりになってしまう。
また、特殊なワードも多く存在する。重要なポイントはしっかり押さえておこう。
夢の多重構造
夢は他人と共有できる。そして、夢の提供者(ホスト)を「ドリーマー」と呼ぶ。
舞台は、現実世界・第1階層・第2階層・第3階層・虚無の段階に分けられている。まずはここをしっかり理解しておこう。
場所 | ドリーマー | 目的 | |
現実世界 | 飛行機の中 | ― | ・ロバートとの接触を図る |
第1階層 | ロサンゼルス | ユスフ | ・ロバートに遺言の存在を意識させる ・疎遠だった父親(会長)との関係性を見つめ直させる |
第2階層 | ホテル | アーサー | ・ロバートに「何を成し遂げたいのか」考えさせる ・ロバートに夢の中だと伝え、仲間だと認識させる |
第3階層 | 雪山の病院 | イームス | ・ロバートと父親(会長)を会わせる ・自分で新しい道を切り開く意識を持たせる(インセプションの決行) |
虚無 | コブ | 廃墟 | ・虚無に落ちたロバートとサイトーを救出する |
また、夢の世界では現実世界よりも時間が20倍ゆっくり進む。これも押さえておきたい重要ポイントだ。
キック
「キック」とは、夢から覚めるための1つの手段である。夢から覚めるには、夢の中で死ぬか、キックで目覚めるかいずれかの方法を取らなければいけない。
トーテム
「トーテム」とは、夢か現実かを判断するアイテムだ。道具自体は決まっていないが、悪用される可能性があるため、自分のトーテムは他人に知られてはいけない。
コブは、モルの形見でもある「コマ」をトーテムとして使っている。
『インセプション』ラストシーンの考察
『インセプション』の最大の謎はエンディングである。コブのトーテム(コマ)が回転を続ければ夢、回転が止まれば現実世界ということになる。ミッションをコンプリートしたコブは、一体どうなったのだろうか。
ラストシーンの描写
ラストシーンでは、コブが自身のトーテム(コマ)を回して、子どもたちのもとへ駆け寄る。コマが回り続けるのか否か分からぬまま、画面は暗転しエンドロールへ。この曖昧な表現が、多くの議論を生んでいるのだ。
ラストシーンの解釈2つの説
コブは夢から覚めたのか、夢の中に留まり続けたのか。それぞれの解釈を紐解いてみよう。
コマの回転は止まった現実説
コマの回転が止まり、コブは現実世界に戻れたという説について考察してみよう。それにはいくつかの理由がある。
- コブの結婚指輪
劇中でコブが結婚指輪をしているのは、夢の世界のみ。ラストシーンでは指輪をしていない。
- コブの子どもたちの服装
コブの子どもたちは、回想シーンで何度か登場する。非常に似ているが、よく見ると回想シーンとラストシーンで、子どもたちの服に微妙な違いがある。
また、回想シーンとラストシーンでは別の子役がキャスティングされている。
- マイルズ教授の登場
コブの義父、マイケルズを演じたマイケル・ケインは、複雑なストーリーに「どのシーンが現実なのか夢なのか分からない」とノーラン監督に話した。そして、ノーラン監督は「あなたがいるシーンは現実です」と答えたという。マイルズ教授は、ラストシーンに登場しているのだ。
これらによって、コブは現実世界に戻ったのではないかと解釈されている説がある。
コマは回り続ける夢の中説
コマは回り続け、コブは未だに夢の中という説について考察してみよう。
コブが何者かにインセプションを仕掛けられていた可能性がある。つまり、劇中で現実だと思っていた世界が、そもそも夢だったということになる。少し複雑だが、いわゆる「夢オチ」という可能性も否定できないのだ。
クリストファー・ノーラン監督の意図
ノーラン監督は、ラストについて「決定的な答えはない」とインタビューで語っている。意図的に、曖昧な表現でラストを描いたという。
ラストシーンのポイントを記者に問われた際、ノーラン監督は「彼は子どもたちを見ている。彼はコマを置き去りにした。それが重要なのだ。」と語っている。
ノーランが語った通り、現実なのか夢なのかは、重要ではないのかもしれない。なぜならコブ自身も、トーテムを見ないのだから…。
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『インセプション』は掘り下げるほど興味深い映画
コブは一体、どのような結末を迎えたのだろうか。視聴者によって解釈が変わる『インセプション』は非常に興味深い映画だ。
視聴者はノーラン監督にまんまと「インセプション」されているかもしれない。これを機に、自由な考察を楽しんで欲しい。
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