アンチヒーロー映画『デッドプール』を総復習 気になる今後の展開も考察
映画『デッドプール』は過激なアクションやブラックユーモアが詰まった人気の作品。『アイアンマン』『スパイダーマン』『X-MEN』『アベンジャーズ』などで人気のマーベル・コミック(Marvel Comics)に登場する異質のヒーローがデッドプールだ。映画『デッドプール』はR指定にもかかわらず、世界的なヒットとなった。
2024年には『デッドプール3』が公開予定となっている。公開に向けて、過去2作のあらすじや登場人物などを復習しておこう。
目次
映画『デッドプール』シリーズのあらすじ
『デッドプール』『デッドプール2』の基本情報とあらすじを紹介していく。
『デッドプール』のあらすじ
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『デッドプール』は2016年に公開された、マーベルコミック(Marvel Comics)のキャラクターを主人公にした映画である。
日本公開日 | 2016年6月1日 |
監督 | ティム・ミラー |
脚本 | レット・リース(英語版) ポール・ワーニック(英語版) |
キャスト | ライアン・レイノルズ モリーナ・バッカリン エド・スクライン ほか |
上映時間 | 108分 |
配給会社 | 20世紀フォックス映画 |
特殊部隊に所属していた傭兵ウェイド・ウィルソンは、高級娼婦のヴァネッサと婚約し幸せに暮らしていた。そんなとき突然末期がんの宣告を受ける。「ウェポンXプログラム」の人体実験に参加することで、ミュータントとなり超人的な力を手に入れがんも完治したが、実験の副作用で顔にやけどのような傷が残ってしまった。
実験施設から逃げ出し、マスクで姿を変え「デッドプール(Dead Pool)」と名乗るようになったウェイド。容姿が変わってしまったためヴァネッサのもとに帰れず、組織への復習に奔走する中、ヴァネッサが誘拐されてしまう。ヴァネッサを救出するため、ウェイドは死闘を繰り広げる。
『デッドプール』は、激しいアクションとブラックユーモアが見どころだ。マーベルヒーローらしからぬ主人公の、おしゃべりで暴力的、無責任だけれど憎めないキャラクターも話題となった。
『デッドプール2』のあらすじ
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『デッドプール2』は2018年に公開された、2016年公開『デッドプール』の続編である。
日本公開日 | 2018年6月1日 |
監督 | デヴィッド・リーチ |
脚本 | レット・リース(英語版) ポール・ワーニック(英語版) ライアン・レイノルズ |
キャスト | ライアン・レイノルズ ジョシュ・ブローリン モリーナ・バッカリン ザジー・ビーツ ほか |
上映時間 | 120分 |
配給会社 | 20世紀フォックス映画 |
ヴァネッサと幸せな生活をしていたウェイド(デッドプール)。ところがある日、自宅に現れた敵との戦闘中、ヴァネッサが流れ弾に当たり亡くなってしまう。ウェイドは失意のあまり、自殺を試みたが、X-MENのメンバーであるコロッサスに救われた。
炎を操る少年ミュータントのラッセルを助ける過程で、ラッセルとデッドプールはミュータント専門の刑務所に入れられてしまう。そこにラッセルを狙うケーブルが未来からやってきた。ケーブルの手には焦げたクマのぬいぐるみが握られていた。
『デッドプール2』は激しいアクションとブラックユーモアがひきつづき見どころであるが、加えてファンを歓喜させたのはキャスティング。『アベンジャーズ』で悪役「サノス」を演じているジョシュ・ブローリンがデッドプールの盟友として登場する。
『デッドプール』の魅力解剖
『デッドプール』の魅力を分解し、それぞれについて人気の理由を解説していく。
無責任なアンチヒーロー
『デッドプール』は正義のヒーローではない。無責任で能天気でおしゃべり。敵の倒し方は容赦なく残酷で、ベッドシーンもあるため、R指定されている大人向けのヒーロー映画だ。そんなデッドプールが人気なのは、新しいタイプのヒーロー像が提示されたからだといえよう。
日本語版では自身を「俺ちゃん」と呼び、弾丸トークが続く。ときには観客に向かって語りかけることも。つまり彼は作品の中に登場する主人公というだけではないのだ。
正義のために戦う清く美しいヒーロー像はここにない。身勝手でやり過ぎで、ときには観客に対して言い訳もできてしまう新たな主人公が、本作の魅力となっている。
過激なアクション
『デッドプール』は過激なアクションが満載だ。R指定映画ならではの刺激のあるシーンがたくさんある。敵の倒し方も残酷で、容赦なく切り捨てる、銃殺する、ひき殺す。正直、子どもと一緒に観ることはおすすめできない。
しかし大人向け映画と割り切ると、アクション映画好きにとって派手で見ごたえのあるアクションシーンは大きな見どころの一つである。この作品のために肉体改造を行い、体を徹底的に鍛え抜いたという俳優陣の肉体美にも注目だ。
純粋なラブストーリーの要素
『デッドプール』は純愛ラブストーリーとしての魅力もある。ヒロインのヴァネッサは高級娼婦という設定もあり、R指定ならではのオトナ要素が入っている。
ウェイドとヴァネッサのラブストーリーである点は『デッドプール』『デッドプール2』で共通する。さんざん激しいアクションを繰り広げたあと、ウェイドがヴァネッサに見せる愛情表現からは、彼の一途な愛が伝わってくる。
映画『デッドプール』の魅力的な俳優たち
映画『デッドプール』には、主演のライアン・レイノルズをはじめ魅力的な俳優たちが勢揃いしている。豪華な俳優陣を紹介していく。
ライアン・レイノルズ(ウェイド・ウィルソン=デッドプール役)
ウェイド(デッドプール)を演じるのはカナダ人の俳優ライアン・ロドニー・レイノルズ。1996年に『X-ファイル』にゲスト出演、2004年『ブレイド3』で肉体派俳優としての知名度を上げた。
2011年の主演作『グリーン・ランタン』では、制作費に対して興行収入は大赤字で、酷評を得る結果となってしまった。デッドプールではこの事実はネタとして扱われる。
モリーナ・バッカリン(ヴァネッサ役)
ウェイドの婚約者であるヒロイン・ヴァネッサを演じるのは、モリーナ・バッカリン。ブラジル出身のアメリカ人女優だ。世界的に有名な音楽大学・ジュリアード音楽院を卒業している。
『NUMBERS天才数学者の事件ファイル』『メンタリスト』『The O.C.』『グッド・ワイフ』など数々の有名テレビ番組に出演。人気ドラマシリーズ『HOMELAND』では、プライムタイム・エミー賞の助演女優賞にノミネートされた。
ジョシュ・ブローリン(ケーブル役)
未来から来た謎の最強戦士ケーブルを演じるのは、ロサンゼルス出身のアメリカ人俳優ジョシュ・ブローリン。マーベル映画『アベンジャーズ』シリーズでは悪役のサノスを演じている。
1985年の映画『グーニーズ』で映画デビューし、その後もコーエン兄弟の『ノーカントリー』やリドリースコット監督の『アメリカン・ギャングスター』などに次々出演。マイノリティのために戦った政治家ハーヴェイ・ミルクの伝記映画『ミルク』では、アカデミー助演男優賞にノミネートされている。
ザジー・ビーツ(ドミノ役)
ドミノの持つ特殊能力は「運を操る能力」。20人のライバルを押しのけてドミノ役に選ばれたザジー・ビーツは、ドイツ系アメリカ人の女優だ。ドイツ語・英語・フランス語が堪能である。
子どもの頃から演劇を始め、2013年にデビュー。2017年の映画『ジオストーム』デイナ役、2019年の『ジョーカー』ソフィー・デュモンド役をはじめ話題作に次々出演。今後の活躍が期待される若手俳優だ。
『デッドプール』をより楽しむためのマーベル(MARVEL)知識
映画『デッドプール』は、マーベル(MARVEL)映画の『X-MEN』シリーズのスピンオフ作品として登場した。もともとはマーベル・コミックに登場するキャラクターだ。
ここでは、人気のマーベルヒーローたちを改めて紹介する。デッドプールと共演する日も近いかもしれない。
アイアンマン
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アイアンマンは、軍事会社の社長でありながら、自らパワードスーツを身につけて悪の組織と対峙するスーパーヒーロー。映画『アベンジャーズ』の中心的存在である。『アベンジャーズ』はマーベル・コミックのヒーローたちが集結して敵を倒すために戦う、人気の映画シリーズだ。
デッドプールが『アベンジャーズ』に参加する日はくるのだろうか。実は、ライアン・レイノルズ扮するデッドプールは、ロバート・ダウニー・Jr扮するアイアンマン(トニー・スターク)に出演を直訴したことがある。その答えは、「絶対ダメ」だった…。
キャプテン・アメリカ
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キャプテン・アメリカは貧弱な青年だったが、軍の極秘実験に参加し、強靱な肉体を手にすることになる。そして彼は、正義感と類まれなる身体能力を武器に、世界征服をもくろむ悪の組織と闘うことになる。
デッドプールはキャプテン・アメリカに敬意を持っている。それはデッドプールすなわちウェイド・ウィルソンが子どもの頃、キャプテン・アメリカが彼のヒーローだったからだ。
ウルヴァリン/ローガン
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ヒュー・ジャックマン主演の映画『LOGAN/ローガン』は、ウルヴァリンを主人公にした三部作の最終作。西暦2029年の世界、体内の金属が毒素化し衰えたローガンは、静かに暮らしていた。ある日彼の素性を知る人物が現れ、ミュータントの少女をある地まで送り届けて欲しいという。
ローガンは『デッドプール3』への登場が決定している。演じるのはもちろんヒュー・ジャックマン。しかし、ウルヴァリンは映画『ローガン』で死亡してしまった。どのようにして『デッドプール3』に登場するのか、公開を楽しみに待とう。
ディズニー映画としての『デッドプール』が描く未来予想図
映画『デッドプール』は『X-MEN』シリーズのスピンオフとして20世紀フォックスが制作した。しかしその後2019年、親会社の21世紀フォックスがウォルトディズニーによって買収された。
『デッドプール』はディズニー傘下になってもなお、作品の過激なスタイルは継続する予定だという。マーベル・スタジオの社長自らが『デッドプール3』をディズニーMCUとして制作すると明言している。MCUとはマーベル・シネマティック・ユニバースの頭文字をとったもの。ヒーローたちのそれぞれの物語は、映画『アベンジャーズ』シリーズにつながっていく。
少なくともデッドプールのMCU入りは確実であり、『アベンジャーズ』シリーズにデッドプールが登場することも十分にありえる話だ。2024年に公開が予定されている『デッドプール3』に期待したい。
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