67歳でもセクシーを貫くマドンナに賛否 「老いへの恐怖の象徴」「10年後も驚かせて」

ワールドカップ決勝のハーフタイムでパフォーマンスするマドンナ(7月19日)|Frank Franklin II / AP Photo

 デビュー以来、過激で性的なポップアイコンとして時代のシンボルとなってきたマドンナ。今なお強い存在感を放つが、16日に68歳を迎えるにもかかわらず、露出度の高い刺激的な衣装を身に着けることが物議を醸している。年相応を求める声があるなか、アグレッシブに生きる姿に称賛の声も上がっている。

◆「無理がある」 セクシー衣装に批判噴出
 議論のきっかけとなったのは、4月に行われたカリフォルニア州の野外音楽フェス、コーチェラ・フェスティバルだ。マドンナは、サブリナ・カーペンターのステージにサプライズ出演。2015年以来11年ぶりとなるマドンナのコーチェラ出演を祝う場となるはずだったが、多くの人々が彼女の衣装に疑問を呈し、ネット上では瞬く間に批判が広がった。

 20年前と同じコルセットとブーツを取り入れ、肘までの長さの手袋など紫で統一した衣装で登場したマドンナに、「年齢制限が必要」「年取り過ぎ」「ちゃんと服着て」などのコメントが殺到。過去のイメージに関する議論まで呼び起こされてしまった。(エンタメ系サイト『ボアード・パンダ』)

◆若さにしがみついた? 老いへの恐怖を体現
 マドンナとともに育ったというニューヨーク・タイムズ紙のオピニオン・ライター、グリニス・マクニコル氏は、ポップの女王の若作りに失望したとする。いまや「老化への恐怖」を体現する最も強力な象徴になったと指摘。彼女の外見のあらゆる要素が、女性の価値は若さを演じることにあるとする、極めて過酷な美の基準に屈したことを示しているとした。

 長年にわたり、遠慮なく自分を表現するよう励ましてくれたマドンナが、とうとう社会の期待に屈したように見えたことに、裏切られた気持ちになったと同氏は説明。ただ、私たちは皆、あらゆる手段を尽くして若さの断片にしがみつこうとする虚栄心の強い生き物でもあるとし、マドンナだけを非難することは公平ではないとも述べた。

◆「年相応」は差別? マドンナが挑む年齢の壁
 マドンナへの批判と幻滅に対し、反論するファンもいる。子供の頃からマドンナのファンだったというジャーナリストのアンニキ・ソマービル氏は、そもそも年相応の服を着るべきというのは、女性への露骨な年齢差別だと主張。ミック・ジャガーなど年配のセレブが、レザーパンツはやめろと言われることはめったになく、むしろエッジの効いたロックンロール的価値観を求められるとし、女性にだけ年相応を求めるのはおかしいとした。

 英紙iの編集者、エミリー・ブートル氏は、今や30代、40代になっても活躍する女性はいるが、それ以上の年齢となると別の話だと指摘。マドンナは、間もなく68歳を迎える女性であっても、社会が女性に押し付ける制約から解放されたと感じられることを示したとし、既成概念を覆す存在だと称えている。

 コラムニストのスザンヌ・ムーア氏は英紙テレグラフで、年配の女性には「優雅に年を重ねる」ことが求められているとし、これは、おとなしくなることを婉曲に表した言葉だと述べる。それを選ばず、アンチから「性欲旺盛なおばあちゃん」と嫌悪されてもマドンナは自分の道を進んでいるとし、10年後も不適切な衣装で世間を唖然とさせ続けてほしいとエールを送った。

Text by 山川 真智子