「ユウキは僕をフルネームで…(泣笑)」モラントと河村勇輝のユーモラスなやり取りが話題に

河村勇輝(左)とジャ・モラント|Brandon Dill / AP Photo

 米プロバスケットボールNBAのメンフィス・グリズリーズで、異色のコンビが話題を呼んでいる。NBAで最小身長の河村勇輝選手とチームの顔であるジャ・モラント選手が見せた、SNS上での心温まるやり取りとは——。

◆華麗なダンクシーンを紹介した河村選手
 メンフィス・グリズリーズの河村勇輝選手は先日、自身のインスタグラムにチームメイトのジャ・モラント選手のダンクシーンを投稿した。

 NBA最小の身長5フィート8インチ(約173センチ)の河村選手は、投稿に「This is Temetrius Jamel Morant(これがテメトリウス・ジャメル・モラントだ)」とモラント選手のフルネームを記したキャプションを添えた。

 15日のメンフィス・グリズリーズとサンアントニオ・スパーズの対戦で、チームの主力選手であるモラント選手は、リーグ最長身の221センチメートルを誇るビクター・ウェンバンヤマ選手に対して華麗なダンクを決めた。投稿はこのダンクを称えたものだ。

 ダンク自体は結果的に相手選手のファールにより無効となったものの、SNS上で大きな話題を呼んだ。米スポーツメディアの『クラッチ・ポインツ』は、「このプレーは、グリズリーズのベンチを沸かせ、チームの一体感とエネルギーを示すものとなった」と報じている。

◆モラント選手の反応は?
 チームメイトをフルネームで呼んだ茶目っ気ある河村選手の投稿に対し、モラント選手は粋な対応をみせた。モラント選手は、チームメイトの河村選手による投稿を自身のSNSでリグラム(リポスト)。「ユウキは僕のフルネームを知っていて、フルネームで呼ぶことをやめようとしない(泣き笑いの絵文字)」「でも仲間よ、君の言うとおりだ。必見なのは俺なんだ」とユーモアあるテキストを添えた。

 インドのスポーツメディア『スポーツキーダ』は、このやり取りを通じて、両選手間に特別な関係性が築かれていることが垣間見えると述べる。クラッチ・ポインツは、モラント選手が見せた豪快なダンクシーンと、その後のSNSでのやり取りが、チームの勢いと選手間の結束を示す象徴的な出来事となったと伝えた。
 
 今季からチームに加入した河村選手だが、モラント選手との和やかなやり取りでも話題をさらった形だ。両選手の交流に同メディアは、「モラントの華麗なプレーと河村とのユーモアあふれる交流により、グリズリーズはリーグ内で最も注目を集めるチームの一つであり続けている」と伝えている。

◆人柄でも輝く河村選手
 メンフィス・グリズリーズのテイラー・ジェンキンス監督は今シーズンの初め、現地で大人気の河村選手について、「彼にはそういう人柄が備わっているんだ」と語る(コマーシャル・アピール)。
 
 「バスケットボールはグローバルなスポーツで、NBAに限らずあらゆるレベルのバスケットボールが世界中で注目されている。私たちのファンが彼を受け入れ、アウェーチームのファンも彼を受け入れている様子を見るのは、とても素晴らしい」
 
 コマーシャル・アピールはまた、チームのファンが揃って試合中に「ユウキが見たい」とコールを送っており、河村の加入によってグリズリーズは日本からも多くの新規ファンを獲得していると伝えている。

 大柄なNBA選手のなかで活躍する河村選手は、チームのムードメーカーとしても輝きを放っている。

Text by 青葉やまと