すべて込みで実はリーズナブル!? コスパ、タイパに優れるクルーズ旅
新型コロナでどん底に落ちたクルーズ業界が再び活況を呈している。ほとんどのクルーズの代金には食事、観光、エンターテインメントが料金に含まれているオールインクルーシブ。スーツケースを持って移動する必要はなく、寝ている間に次の観光地に到着している。お得で楽な旅ができるクルーズの人気が上昇中だ。
◆コロナ禍で大打撃を受けたクルーズの回復
2020年1月20日に横浜港を出港したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の記憶もまだ新しいが、新型コロナウイルスの影響により、クルーズ業界は大打撃を受けた。クルーズ・ライン・インターナショナル・アソシエーション(CLIA)によるとコロナ禍前の2019年には、世界のクルーズ人口は過去最高の2970万人。それが580万人にまで落ち込み、未知のウィルスの前に回復は難しいと業界もなす術がなかった。
しかし、ようやく2022年より徐々に緩和が始まり、欧米での復興を皮切りに、アジア、日本国内においても少しずつ復活。クルーズ業界がV字回復の兆しを見せている。
◆オールインクルーシブでコスパが高い
クルーズはシニアの富裕層向け、というイメージも強いが、実はリーズナブルなカジュアル船が85%。ほとんどのクルーズの料金は、一部のレストランやドリンク類を除いて、移動・宿泊・食事・エンタメが含まれたオールインクルーシブである。
飛行機や鉄道を利用した海外旅行と比較すると、圧倒的にコストパフォーマンスが高い。航空料金や円安の中、海外旅行をするのであれば、1週間~10日程度のクルーズ価格の方がお得なくらいである。さらには、翌日の朝には次の旅行先である寄港地に到着するため、スーツケースを抱えた飛行機や電車での移動を考えるとタイパも高い。なにしろ、次の観光地には寝ている間に到着している。
◆食、寄港地ツアーすべて充実のアラスカクルーズ体験
実際に、「Seven Seas Explorer®(セブン・シーズ・エクスプロラー)」に乗船して体験した1週間のアラスカクルーズでは、多彩なレストラン、選択肢の広いエクスカーション(オプショナルツアー)が無料。船内にはバーカウンターやコーヒーラウンジがあり、好きな時に好きなだけ飲んだり食べたりできる。陽がさんさんと降り注ぐデッキで海を眺めながらの朝食やランチビュッフェも船旅ならでは。
寄港地の観光スポットをまわるガイド付きのツアーも何種類も用意され、一部を除いて料金に含まれている。アラスカの氷河や先住民族の文化を訪ねるツアーに参加したが、非常に充実した観光が楽しめた。このエクスカーションには各クルーズが趣向を凝らした旅の提案をしており、今回のアラスカクルーズにプラスして鉄道旅がついてくるツアーも出している。さらには、劇場を備えている船も多く、コンサートなどさまざまなエンターテインメントを無料で見放題。一日中遊んでも料金がかからないのだ。
そして、なんと言っても、プールサイドでのんびり寝そべる時間を毎日楽しめるのがクルーズの醍醐味。一度経験するとリピーターとなる確率が高く、クルーズ人口を増やしているという。旅の非日常感を堪能するには、今最もコスパの良い旅行スタイルといえるだろう。