米グルメ誌、世界一の食の都を東京に 大阪9位 空港、バー部門でも日本勢健闘

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 アメリカの料理や旅の専門誌フード&ワインは今年も恒例の「グローバル・テイストメーカー賞」を発表した。世界で最高の飲食物を提供する空港からレストラン、ホテルのバー、マーケットまで幅広い部門で受賞者が選ばれた。このリストを参考に、夏の旅を計画してみては?

◆おいしいフード&ワインが楽しめる国際空港トップ3は
 フード&ワインは、アメリカ国内外の最高の飲食と旅の体験を提供する飲食店や空港、航空会社などを表彰する「2024年グローバル・テイストメーカー賞」を発表した。

 食と旅のジャーナリスト180人以上が、レストランやバー、都市、ホテル、空港、航空会社、クルーズなど、お気に入りの店や場所を推薦。その結果を専門家による審査委員会が審査し、各部門の受賞者を決定した。多くのカテゴリーで、専門家委員会が厳選したプラス・ワンを設け、訪れてほしいグルメスポットとして紹介している。

 フード&ワイン編集部は賞について「旅の決め手となる人生を肯定するような食事から、一口ごとに夜を盛り上げる独創的に作られたカクテル、ホテルで提供される傑出した料理、クルーズで味わう忘れられない一口まで、旅先での食体験を旅行者の皆さんに共有するために、賞を発表する」と述べる。

 国際空港の部門では、シンガポールのチャンギ国際空港がナンバー1に輝いた。100以上の飲食店が軒を連ね、屋台が並ぶフードコートのほか、ロボットバーテンダーのいるバーなどが有名。

 2位は成田空港。同誌は「日本の食の伝統を垣間見ることができる。第1ターミナルと第2ターミナルの両方に店舗を構える「すし京辰」では、最初(または最後)の絶品寿司を味わえる。地元豊洲市場から仕入れたクロマグロは必食だ。また、第2ターミナルの「天ぷら 日本橋玉ゐ」では、旬の新鮮な地元食材を揚げたサクサクとした食感の天ぷらが楽しめる」と寸評。

 3位はアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ国際空港だ。高級感あふれる雰囲気のなか、バラエティに富んだエクレアを提供する洋菓子店「レクレール・ド・ジェニー」や、レバノン料理をテイクアウトできる「コントワール・リバネ」など、世界のさまざまな味が楽しめる。

 4位から10位は、ロンドン・ヒースロー国際空港、トルコ・イスタンブール空港、アムステルダム・スキポール国際空港、ニューヨーク・ジョン・F・ケネディ国際空港、ジョージア州ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港、サンフランシスコ国際空港、バンクーバー国際空港の順となった。

◆世界最高のフード&ドリンク都市1位に東京
 今年のベスト・インターナショナル・レストラン・ランキングでは、ペルーのリマにある「Mérito」がトップに輝き、シドニーの「ピーターマン」が2位、ムンバイの「ソーダ・ボトル・オープナー・ワラ」が3位と、意外な顔ぶれが並んだ。Méritoはペルー料理とベネズエラ料理の要素を組み合わせ、ラテンアメリカ文化に根ざしながらもまったく新しい料理を提供し、高い評価を受けた。ピーターマンでは、持続可能な方法で調達されたオーストラリア産のシーフードと、魚丸ごとむだにしないこだわりの料理が楽しめる。ソーダ・ボトル・オープナー・ワラでは、イランの主食とインドの屋台料理を融合させた新しいメニューを提供する。18位には、独創的なメニューで知られる渋谷の居酒屋「高太郎」がランクインした。

 最高のフード&ドリンクが楽しめる世界の都市部門では、東京が1位に見事輝いた。2位イスタンブール、3位メキシコシティ、4位パリ、5位リマ、9位に大阪がランクインした。

 そのほか、最高のコーヒーが飲める都市部門ではコペンハーゲンが1位、最高のパンが味わえる都市部門ではパリ、最高のフード&ドリンクを提供する市場部門ではバルセロナのラ・ボケリア、ホテルバー部門ではロンドン・コノートホテルのバー、世界最高のバー部門では、新宿のベンフィディックが1位に輝いた。最高の機内食を提供する航空会社はエミレーツ航空となった。

 フード&ワインのハンター・ルイス編集長は、「イタリア南東部カゼルタの街のピザ店から、ロサンゼルスの家族経営のタイ料理店、ニューヨークの独自のリズムで脈打つ斬新なメキシカン風カクテルバーまで、この受賞者リストは世界中の最高の食体験にスポットを当てています。各部門の受賞者は、料理、ホスピタリティ、そしてその土地に根付いた本物の味を思慮深く情熱的なアプローチで提供しており、読者に旅行を予約したいと刺激を与えることになることでしょう」と語る

Text by 中沢弘子