億万長者になったホットドッグ早食い王者……巨額の報酬と深刻な健康リスク

ジョーイ・チェスナットさん|Yuki Iwamura / AP Photo

 7月4日のアメリカ独立記念日に、ニューヨークで恒例のホットドッグ早食い大会が開催され、アメリカ人男性のジョーイ・チェスナットさんが16回目の優勝を果たした。無名だった2005年にこの大会に初出場して以来、チェスナットさんは早食いの技を磨き、多額の賞金を稼いで大金持ちとなった。早食いには深刻な健康リスクがあるが、大きなビジネスチャンスにもなっている。

◆ファン多くテレビ中継も 早食い五輪、今年も開催
 BBCによれば、このイベントは『早食い競争のオリンピック』とも呼ばれ、ネイサンズ・フェイマスというホットドッグ店で、1916年の創業当時から行われている催しだとされてきた。しかし実は、宣伝のための作り話だったことが2010年に判明。実際には1972年が記録に残る最初のコンテストだったという。

 歴史は曖昧だが、コンテスト自体は大型イベントとして成長した。参加者が10分以内にできるだけ多くのソーセージとバンズを完食するというわかりやすい競争で、全米から数万人のファンが集まる。スポーツチャンネルのESPNで生中継され、コカ・コーラ、ハインツ、ネットフリックスなどの有名企業がスポンサーとなっている。

 今年の大会は雨で開始が遅れたが、62本のホットドッグを平らげたチェスナットさんが見事優勝。過去に76本のホットドッグを食べた記録保持者としての貫禄を見せつけた。女子の部も2011年から行われており、日本人の須藤美貴さんが39.5本を食べて9回目の優勝を成し遂げた。

ホットドッグ早食い大会の様子

Text by 山川 真智子