学歴主義の韓国、芸能人の進学事情に変化? 背景にあるものとは

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◆K-POPアイドルの激しい生存競争が背景に?
 一方、男性グループのBTSについては全メンバーが通信制である「サイバー大学・大学院」に在籍をしている。特に女性アイドルは進学を選択しないケースが目立つ反面、男性アイドルについては芸能活動を続けるにあたり避けては通れない兵役問題があることから進学を選ぶケースが多いものの、前述のBTSメンバーのように通学制の大学ではなくサイバー大学へ進学するなど、進学の方法も多様化していると感じる。

 芸能人の進学事情に変化が見られる背景には、特にK-POPアイドルについては活動が韓国内にとどまらず海外にも広がっていることが挙げられる。また、アイドルグループの寿命は7年が限界という「7年目のジンクス」という言葉があるように、入れ替わりと競争が激しいなかで活動を継続させていくことの難しさも「学歴よりも芸で勝負する」ということの強い表れでもあると言える。いずれにせよ、かつてと比較すれば男女ともに芸能活動をしていく上で今や必ずしも学歴は重要ではないという考えが広がっているように見受けられる。

 韓国も日本も学歴や学校名が影響を及ぼす場面はまだ多々あるものの、それだけで安泰と言える時代ではなく、これからは大学に進学することの意味や目的がさらに問われることになっていくとも言えるのではないだろうか。

在外ジャーナリスト協会会員 原美和子取材
※本記事は在外ジャーナリスト協会の協力により作成しています。

Text by 原 美和子