NZの「最強の男」、パワーリフティング女子大会への出場を申請 競技の公平性訴える
◆生物学的男性が断然有利 女性競技から女性が消える
実はすでに、抗議の意味で女性大会への参加を果たした男性パワーリフターがいる。カナダの元代表チームのコーチ、アヴィ・シルバーバーグ氏は、自身を女性と主張して女性の大会に出場。非公式ながらアルバータ州女子ベンチプレスの84キロ超級の記録を更新してしまった。カナダのパワーリフティング連合(CPU)は自認による性別での参加を認めている。
女子ベンチプレスの84キロ超級の公式タイトル保持者は、トランス女性のアン・アンドレス選手だ。女性カテゴリーで出場した10大会のうち8大会で優勝し、女性のパワーリフティング選手はベンチプレスがなぜ下手なのかと質問して、物議を醸した。
Anne Andres (male who identifies and competes as a woman) doesn’t understand why female powerlifters are so “bad” at bench press….well idk Anne, but maybe it’s because you have 20 times more testosterone than them. Just a thought…. pic.twitter.com/klxd4WaoYc
— Riley Gaines (@Riley_Gaines_) February 17, 2023
シルバーバーグ氏が抗議で示したものは、生物学的男性の参加を認めると、女性競技から女性が排除されてしまう可能性だった。女性スポーツを保護する団体は、スポーツにおけるジェンダー自認政策の末路だとReduxxに語っている。まさにシェパード氏の懸念が現実になった大会だった。
◆競技団体も再考へ 公平性維持を優先
女性大会へのトランスジェンダー選手の参加は、これまで誰もが納得のいく基準がないまま、多くのスポーツで認められてきた。そのためいくつかのスポーツでルールが再考されている。
国際水泳連盟は、上位選手が競う女性大会へのトランスジェンダー選手の参加禁止を発表。世界陸連もトランス女性、「または性的発達の差異を持つ」アスリートの選手権レベルの競技会への出場禁止を決定した。
世界陸連のセバスチャン・コー会長は、女性スポーツにおける公平性維持を組織として優先するとし、科学的見地からより多くの証拠が得られ、見直しが必要とならない限り、陸上競技における女性カテゴリーの整合性が最も重要だという見解を示した(ニュースサイト『アクシオス』)。
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