王室戦々恐々、ヘンリー王子回顧録には何が書かれているのか? 近づく発売

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 今年出版が予定されているヘンリー王子回顧録をめぐり、イギリス王室は神経を尖らせているようだ。王室メンバーの諍いを描いた実質的な暴露本になる可能性があるが、王室は内容を把握できていないと報じられている。

◆「最も破壊的」な王室本に
 ヘンリー王子は昨年夏、自身の王室時代の経験を振り返る回顧録を著し、今年後半に出版すると公言している。英エクスプレス紙(8月14日)は、英王室の専門家の分析をもとに、この回顧録が故ダイアナ妃の暴露本以来の「最も破壊的な王室関係の出版物」になる見込みだと報じている。1992年に出版されミリオンセラーとなった『ダイアナ妃の真実』は、ダイアナ妃とチャールズ皇太子の複雑な夫婦仲と双方の不倫疑惑を赤裸々に暴露した。二人が離婚へ向かう大きな材料になったともいわれる。この暴露本はジャーナリストのアンドリュー・モートン氏が著したものだが、氏はダイアナ妃の死後、主な情報源がダイアナ妃自身であったことを認めた。

 ヘンリー王子回顧録を実際に執筆するのは、小説家でジャーナリストのJ・R・モーリンガー氏となる。氏はゴーストライターとして、プロテニス選手のアンドレ・アガシの自叙伝を執筆した。英ガーディアン紙(7月29日)は、同著が深遠で思慮深く、「通常のゴーストライターによる本を超えている」との評価を報じている。ヘンリー王子の回顧録についても、「パワフルかつ心理的な探究心をもった本が期待できる」という。

Text by 青葉やまと