台湾でLGBTQ+のスポーツ祭典「エイジアンプライドゲームズ」開催 主催者の語る大会の意義とは
◆スポーツという健康的な活動を通じてコミュニティの存在感を示す
台湾では、毎年開催されている「台湾プライドパレード」が、LGBTQ+の支援表明の場となってきた。コロナ禍にもかかわらず、2020年には13万人が集まったことで世界的なニュースとなった。
台湾の行政院(内閣)に属する「男女共同参画会議(The Gender Equality Committee)」の調査(2021年5月23日発表)によれば、同性婚が正式に認められてから2年の間に、60.4%が同性カップルにも結婚する法的権利を認めるべきだと考えるようになっており、同性婚法成立前(2018年)の37.4%から23ポイントも上昇したという。
また台北タイムズ(2021年11月3日掲載)は、台湾を訪れた外国人からの声を集めたHotels.comの調査結果を紹介し、訪台したLGBTQ旅行者の70%以上が、同性婚法執行前と比べて、自分の性自認や性的指向を開示することに自信と安全を感じられるようになったと報じた。
こうした台湾全土におけるLGBTQ+コミュニティへの理解が高まるなかでの「エイジアンプライドゲームズ」の開催の意義は、どこにあるのだろうか。
「私たちは、このイベントに2つの目的を持っている。一つは、性的マイノリティたちに、プライドパレードを開催する権利があることをアピールする場を作ること。もう一つは、健康的な活動を通じて、まだ同性婚が認められていない国に対して性的マイノリティーの存在に対する認知や支持を深めてもらう機会を作ることだ」と話すヤンさん。LGBTQ+のコミュニティ支援に対して、社会的、前向きな姿勢を、もっと増やしていきたいと話す。
「2024年か25年ごろには、ぜひ日本で大会を開催したいと考えている」と話すヤンさん。まだ資金面での問題は尽きないが、持ち回りでの国際大会の開催は今後も予定していて、来年はカンボジアで開催予定だという。コミュニティの支援者であるアライも参加しやすいこうしたイベントを通じて、より多くの人の理解と協力が得られる社会作りが進むことを願う。
※本記事は在外ジャーナリスト協会の協力により作成しています。