英国の歴史ある詩コンペで、香港出身19歳が最年少優勝 英語の植民地性を探求

Christophe Cappelli / Shutterstock.com

 1978年以降、英国で毎年開催されている詩のコンペ、ナショナル・ポエトリー・コンペティション(National Poetry Competition)の2021年度の優勝者は、香港出身の学生エリック・イップ(Eric Yip)。イップは史上最年少の優勝者となった。その作品とは。

◆歴史ある詩の大会
 ナショナル・ポエトリー・コンペティションは、イギリスの詩学会(Poetry Society)が主催する詩の大会。18歳以上であれば誰でも参加することができ、40行以内の未発表の詩が対象となる。優勝者には5000ポンド(約81万円)が付与される。コンペは1978年以降毎年開催されており、毎年全世界から1万件以上の応募があり、詩の世界のウィンブルドンのような存在だ。詩学会の発表によれば、2021年度のコンペでは、世界100ヶ国の7012人の詩人から、1万6729点の詩の応募があった。27.5%の応募が英国外からのものだ。

 2021年度の優勝者はエリック・イップ、2位はジェッド・メイヤーズ(Jed Meyers)、3位はエマ・パースハウス(Emma Purshouse)。そして、ほか7名が入選・表彰された。優勝したエリック・イップは、ケンブリッジ大学の経済学部に通う19歳で、本大会の史上最年少優勝者となった。一方、入選者の一人であるMRピーコック(M.R. Peacocke)は92歳。幅広い年齢層の詩人が表彰される結果となった。すべての作品は匿名の状態で審査された。

Text by MAKI NAKATA