テイラー・スウィフトが再録シリーズを発表する理由 「テイラーズ版」が放つメッセージとは
テイラー・スウィフト(Taylor Swift)は2019年、過去にリリースした最初の6つのアルバムを再録することを発表した。第一弾の『フィアレス(Fearless)』は2021年4月にリリースされ、第二弾の『レッド(Red)』は11月12日にリリースされた。再録の背景には、スウィフトが該当のアルバムの所有権を保持していないという事実がある。それはどういうことで、再録版にはどういう意味があるのか。
◆スウィフト、初期の軌跡
米国ペンシルバニア州で生まれたスウィフトは、オペラ歌手であった祖母の影響を受けて音楽の道に出会い、10歳のころにはすでに地元のイベントやコンテストなどで歌を披露していた。作曲とギターを始めたのは12歳の時だ。彼女は音楽の道に進むため、頻繁にカントリー音楽の聖地であるテネシー州のナッシュビルを訪問していた。その後、スウィフト一家は彼女のキャリアの未来のためにテネシー州に移住した。その後、ナッシュビルのライブハウスでパフォーマンスしていた際、ビッグ・マシン・レコード(Big Machine Records)の社長、スコット・ボーチェッタがスウィフトに目を付け、彼女は同社の所属アーティストとなった。2006年、スウィフトが16歳の時に彼女の最初のシングルがリリース。そして2008年には、今年再録された彼女のセカンド・アルバムである『フィアレス』がリリースし、同アルバムはグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞した。
2018年、スウィフトはビッグ・マシン・レコードとの12年の契約期間を終了し、ユニバーサル・ミュージック・グループと契約を締結。2019年、彼女の最初の6つのアルバムに含まれるマスター版の楽曲カタログが、ビック・マシン・レコードからスクーター・ブラウン(Scooter Braun)が所有する会社に売却されたということが明らかになった。ブラウンはジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデといったポップスターのマネージャーだが、彼女はブラウンからいじめを受けてきたと告発している。彼女に相談なく、アルバムの版権がブラウンの会社に売却されたことに対し、自身のタンブラー・サイトで強い反発を示した。投稿の内容によると、彼女は版権がいずれ売却されることを承知してはいたが、「敵視」しているブラウンへの売却に対しては「最悪のシナリオ」だと表現している。
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