過去の靖国写真で大炎上・袋叩き 中国人俳優、廃業の危機に

Lãng lãng đinh / Wikimedia Commons

 中国で今年2月に配信され大ヒットした、時代劇ファンタジードラマ『山河令』の主演俳優・張哲瀚(チャン・ジャーハン)が、2年前にSNSに投稿した日本での友人の結婚式の写真がきっかけとなり、大炎上している。日本を含む、国内外のブランド20社以上が契約を即時打ち切り、主要国営メディアが名指しで非難。中国演出行業協会からはボイコットを呼びかける声明が出されるなど、俳優生命の危機に瀕している。

◆過去の旅行写真投稿から特定され炎上
 事の発端は過去のSNS投稿写真だった。2019年に投稿した結婚式の写真を「乃木神社で行われた結婚式に出席していた」とネットユーザーが再投稿し、大騒ぎになった。さらにその数時間後、桜を背景にピースサイン姿で撮影された2018年の写真が「靖国神社」前で撮影されていると特定されると、たちまち大炎上したのだ。

 張哲瀚は、翌日直ちに謝罪文を発表。「今日ここに自らの無知を恥じ、以前の不適切な行動を深く謝罪します」とした謝罪文は、乃木神社や靖国神社の歴史的背景や、結婚式に同席した人たちの政治的背景を知らず、国民感情を傷つけてしまった、と反省と謝罪を繰り返し述べた文書だった。最終段落の冒頭では「私は親日ではない、中国人です!」と強調、母国を傷つける意図はなく、今後は歴史文化の知識を学び、注意深い行動を心がける、と深い反省の弁に終始した。

Text by 佐藤さとみ