アマゾン・プライムで楽しめる、エミー賞作品賞の受賞・ノミネート作品10作
◆エミー賞の最高峰、ドラマ部門
初めにドラマ作品賞から詳しく見てみよう。ドラマ作品賞はエミー賞各賞のなかでも、とりわけ栄誉があるとされている。
厳しい審査を経て受賞作品に輝いたのは、 もはやファンタジー作品の代名詞ともなった『ゲーム・オブ・スローンズ』だ。最終章となったシーズン8が受賞し、有終の美を飾った。シリーズでは強大な7つの王国が、ウェスタロス大陸の覇権をめぐって争いに明け暮れる。
惜しくも受賞は逃したものの、陰謀渦巻く作品がもう一作ノミネートされている。『サクセッション』は、巨大メディア企業の後継者をめぐる内紛劇をシニカルに描くシリーズだ。引退しそうでしない老人CEOと若き後継ぎ候補たちの間に腹黒い駆け引きが展開する。
もう1点、ノミネート作のなかから『THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから』もアマゾンで配信されている。同じ年、同じ日に生まれた3人の男女が、偶然の出会いをきっかけに人生を見つめ直す大切なきっかけを手にする。苦難と挫折に満ちながら、それでいて美しさを失わないストーリーは必見だ。
◆個性豊かなコメディ部門
続いてはコメディ作品賞から、4作品を紹介したい。近年勢いを増しているこのジャンルには、設定の妙が光る秀作が目白押しだ。
見事受賞作に輝いたのは、怒れるロンドン女性をシニカルに描く『Fleabag フリーバッグ』だ。幸せを手にしたいだけなのに、勝気な性分と性欲の強さが災いしてか、あがくほどに泥沼にはまり込んでしまう。なかば無意識に下着姿になったり一夜の恋に興じたりと、奔放な生き方を見せてくれる。
同じく女性が主人公の作品として、『マーベラス・ミセス・メイゼル』がノミネートされている。1950年代のマンハッタンに暮らすお金持ちの奥様が、酔った勢いでバーのステージに登壇。期せずして観客の爆笑を誘ったこの夜が忘れられず、家族に内緒でコメディアンの道を志す。
芸を極めるといえば、ブラックコメディ『バリー』も見逃せない。殺し屋稼業の最中に演劇学校に迷い込んだバリーは、すっかり芝居に心を奪われる。役者志望と殺し屋という奇妙な二足のわらじがスタートする。
そのほかコメディ部門のノミネート作としては、アメリカ副大統領の華やかで問題だらけの職務を描いた『ヴィープ』が配信中だ。