エベレストで死者続出、何が起きているのか ネパール政府、登山者に責任

Nirmal Purja/@Nimsdai Project Possible via AP

 ネパールが商業目的のエベレスト登山を解禁してから半世紀がたつ。世界最高峰だけにこれまで多くの死者が出ているが、今年はすでに11人の死亡が報告される深刻な事態となっている。登山家の夢であるエベレストで何が起きているのか。

◆行列で動けない? 山頂付近は大渋滞
 5月22日に、一人の登山家が公開したエベレスト山頂付近の写真が話題となった。映っていたのは、山頂を目指して進む登山者たちの長い行列だ。APによれば、今年ネパール政府は44チームの381人に対し登山許可証を発行しており、これまでで最多となっている。中国側からも登山可能だが、清掃作業のため今年は許可証の数に制限が設けられたことも影響したようだ。

 登山家のアラン・アーネット氏によれば、シェルパも含め今年は800人がエベレスト登頂に挑戦していることになる。ネパール政府の許可証が増えたことよりも、今年は天候が大きく影響していると同氏は説明する。悪天候が続き山頂を目指せる日が限られており、非常に短い期間に登山者が集中したということだ。下山した登山者からは、大混雑でまさにカオスだったという声が聞かれた(米公共放送PBS)。

Text by 山川 真智子