レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画や肖像画、世界で再び脚光 没後500年

Steve Parsons / PA via AP

 エリザベス2世が所蔵する絵画のなかに、顎ひげを生やし、物思いにふける男性を描いたものがある。レオナルド・ダ・ヴィンチの肖像画だ。王立美術の顧問が、芸術家であり博学者であったダ・ヴィンチの没後500年を記念して5月2日に発表を行った。

 イギリス王室コレクションの版画・ドローイング部門責任者、マーティン・クレイトン氏は、この肖像画のスケッチは、ダ・ヴィンチが亡くなった1519年5月2日の少し前に、アシスタントの1人によって描かれたものだと語る。

 クレイトン氏は、「上品に真っ直ぐ伸びた鼻、頬から耳にかけて斜めに跳ね上がった顎ひげ、および他の詳細な描写は、レオナルドの生涯で唯一、他者によって描かれた肖像画として知られているフランチェスコ・メルツィの作品に酷似している。数々の特徴的な描写が、この肖像画がレオナルドを描いたものであることを非常に強く示唆している」と語る。

                                                                                                                 

 この肖像画は、王室が所蔵するレオナルドの膨大なコレクションから選ばれたおよそ200点の絵画とともに、5月24日から10月13日の間、バッキンガム宮殿のクイーンズギャラリーで展示される。

 イタリアとフランスの大統領は、フランスのアンボワーズで5月3日に開催された記念式典に出席した。同地はダ・ヴィンチが500年前に亡くなったゆかりの地であり、偉大な芸術家だったダ・ヴィンチとつながりを持つ世界中のギャラリーが、その作品とともに没後500年を祝福している。

 ダ・ヴィンチは、芸術家、科学者、そして発明家として、その稀代の才能を縦横無尽に発揮したルネサンスの究極の天才であると考えられている。

 サザビーズが誇る世界的規模のオールドマスター作品の最高責任者、グレゴリー・ルビンスタイン氏は、「実際、これらのまったく異なる分野での偉業を併せ持つ並外れた天才は、ダ・ヴィンチの他には後にも先にも存在しない。この事実こそ、我々がダ・ヴィンチに魅了される理由の中核であると思う」と語る。

 5月2日、サザビーズは、知名度がありながら公開される機会が極端に少ないダ・ヴィンチの絵画をニューヨークで展示する予定であると発表した。

 オークションを手掛けるサザビーズは、マンハッタンにあるギャラリーで来月、イギリス最大のカントリーハウスの一つ、チャッツワースが所蔵する宝物展示の一環として「レダと白鳥」を展示する。「レダと白鳥」は2003年に一般公開されて以来、久しぶりの公開展示となる。

 ダ・ヴィンチは、1506年、「モナリザ」の製作に着手している傍ら、このペン画を描いた。この作品は、スパルタ王の妻レダ、および彼女を誘惑しようとして自らを白鳥の姿に偽装したジュピター神を描いたものだ。

 しかし、あくまでも準備的なスケッチ画であり、この描写をもとにして最終的に完成された作品は存在しないと考えられている。

 ルビンスタイン氏は、「極めて完成度が高く、驚くほど美しい描写である。失われたプロジェクトに関する重要な資料だ。このプロジェクトは、レオナルドが本腰を入れて取り組んだプロジェクトであることは明らかだ。しかし、レオナルドに宛てた製作委任の記録が一つもなく、完成した絵画も残存していないため、その真相は謎に包まれている」と語る。

 この作品は、300年近くの間、チャッツワースのオーナー、歴代デヴォンシャー公のコレクションの一つとなっている。第二次世界大戦が勃発する直前の1939年、ミラノで開催された展示会へ貸し出された後、その行方がほとんど分からなくなっていた。しかし、この作品はローマのサンタンジェロ城の要塞に隠されており、戦火のなかを生き延びた。

 ニューヨークにあるサザビーズのギャラリーは、建築家の重松象平氏によって再設計され、5月3日に一般公開の日を迎えた。チャッツワースの展示会は6月28日から9月18日まで同ギャラリーで開催される予定である。

By JILL LAWLESS Associated Press
Translated by ka28310 via Conyac

Text by AP

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