勝てば官軍? 大坂なおみ選手に対する日本の受け止め方、米メディアの見方

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◆「日本は大坂なおみのような『外国人の血』を必要としている」
 アメリカのネットメディア『デイリービースト』は、日本在住のライター、ジェイク・アデルシュタイン氏の「日本は大坂なおみのような『外国人の血』を必要としている」という見出しの記事を掲載した。アデルシュタイン氏は、特に混血児において、「勝てば官軍、負ければ賊軍」がいまだ現代日本のスポーツ界でまかり通っていると指摘する。つまり、「勝てば日本人、負ければハーフ」であると。大坂選手が全米オープンで優勝した途端、多くの日本人が彼女が完全に日本人だと認めたと伝える。同じような例として、ダルビッシュ有選手を挙げている。

 また、日本の外国人嫌悪は深刻なものであり、日本がただの日和見主義者から勝利国になることを望むなら、これを克服しないといけないとしている。彼女の勝利は、何が日本人なのか、そして日本が生き残り、国家として成長するために必要な、多人種社会を作り出す準備が整っているかを問いかけていると語っている。

◆「私たちは彼女に投資しなかった」
 一方、ハイチのネットメディア『Woy Magazine』は、大坂選手の優勝後、「多くの同胞人が、この勝利を自分たちのものとして喜んでいいのか問い始めた」と伝える。特に、モイーズ大統領が、テニススターを「私たちのなおみ」と呼んで祝福したときに、「彼女は私たちのものではない。私たちは彼女に投資しなかった。それなのに、ハイチ人は気楽に、臆面もなく、私たちのものでもない勝利を自慢していた」といった声が上がったという。

 そういった声に対し同記事は、「私たちは、ハイチ人であることが何を意味するのか再検討する必要がある」「ハイチが子供たちに価値のある国」にしていくべきとしている。

Text by 鳴海汐