クリンスマン氏が率いた米代表、何が起き、現地評価は? 日本とは相性良い?

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 サッカー日本代表は、ワールドカップロシア大会で2大会ぶりにベスト16入りを果たし大健闘した。ハリルホジッチ前監督の解任を受け、急きょチームを率いた西野監督は7月末に退任することになっており、後任の最有力候補として、元ドイツ代表のユルゲン・クリンスマン氏の名前が上がっている。だが同氏は2016年にアメリカの代表監督を解任されており、複数の米メディアがその手腕に否定的な意見を述べている。

◆選手、監督としてカリスマ的存在も、新しいやり方が裏目に
 クリンスマン氏は53才。ドイツ代表としてW杯優勝を経験し、監督としても2006年のドイツ大会でチームを3位に導いた。2011年には、当時の米サッカー連盟のスーニル・グラティ会長に見込まれ米代表監督となった。その後大陸選手権などで好成績を収め、推定1000万ドル(約11億円)で4年間の契約延長に署名。2014年のW杯では、ベテラン選手を切って二重国籍の若手を起用するなど大胆な策を取り、16強入りを果たしている。

 新しいやり方で選手を変えると約束したクリンスマン氏率いる米代表には、ファンや関係者から大きな期待が寄せられた。ところが、W杯ロシア大会北中米カリブ海最終予選では、2試合を連続で落としてしまう。

 クリンスマン氏はメキシコ戦で新フォーメーションを導入し、数人の選手を新ポジションに置いて挑んだ。ところが前半で限界となり、慌てたベテラン選手が懇願して元のフォーメーションに戻したものの、1-2で敗れた。さらに、その4日後にはコスタリカと対戦するも、4-0で大敗。後半はすでに選手がお手上げ状態だったとスポーツ・イラストレイテッド誌(SI)は解説している。

Text by 山川 真智子