北朝鮮の「美女軍団」、厳しい審査と守秘の掟 平昌五輪に派遣へ

Viktoria Gaman / Shutterstock.com

◆選び抜かれた女性たち。ただし制約も
 「美女軍団」は、非常に厳しい審査を通過した精鋭たちだという。10代後半から20代前半の女性で構成され、身長163㎝以上、魅力的な容姿であること、北朝鮮の正しい「イデオロギー」を持っていること、親日派や脱北者との関わりを持たないことなどが選考条件とされている(AFP、インデペンデント紙)。タイムズ紙によれば、メンバーの多くが、建国の父の名を冠したエリート校とされる、金日成大学の学生だということで、まさに才色兼備な一団だ。ちなみに金正恩氏の妻、李雪主(リ・ソルジュ)氏も、元「美女軍団」だと報じられている。

 インデペンデント紙によれば、政治家やスポーツ選手と並び、「美女軍団」は国外に出ることを許された北朝鮮ではまれな存在だ。それゆえに、彼女たちは韓国で見たこと、したことについては一切北朝鮮国内で口外することは禁じられているという。同紙は、脱北者による証言で、21人の「美女軍団」の女性たちが、韓国滞在中に見たことを他者に話した罪で、収容所送りになっていたことが判明したとする、韓国内のショッキングな報道を紹介している。その一方で、彼女たちは国内では大いに尊敬される存在で、報酬もかなりいいと同紙は見ている。

◆平昌五輪成功に貢献するか?世界が注目
 タイムズ紙は、これまで北朝鮮の挑発による影響を心配していた平昌五輪の主催者側は、今では「美女軍団」の派遣が、伸び悩むチケット販売に貢献するのではと期待を寄せていると述べている。

                                                                                                                 

 実は韓国ではチアリーダーの人気は絶大で、歌手やダンサーとしてデビューし、テレビドラマに起用されることもあるとAFPは述べる。五輪関係者のなかには、南北共同チアリーディング・チームを作るべきという意見も出ているらしい。しかしタイムズ紙は、スポーツ・チアリーディングがメインの韓国のアクロバット的なパフォーマンスに対し、北朝鮮のものは、おきまりの古典的スタイルのそろったダンスだと指摘しており、南北統一チーム実現はかなり難しそうだ。

 ともあれ、ひさびさの「美女軍団」派遣は、国際社会からは南北の雪解けにつながると期待され、韓国のファンにもついに彼女たちの踊りを見るチャンスがもたらされるとインデペンデント紙は述べる。いまや選手よりも有名な北のチアリーダーたちが、平昌五輪の見どころの一つとなることは間違いないようだ。

Text by 山川 真智子