「日本人、鶏の刺身を食べるなんて信じられない!」 海外のSNSで一騒動

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◆どう食べれば鶏刺身は安全?
 ジョージア大学の食品安全センターでディレクターを務めたマイケル・ドイル氏は、多くの場合10秒ほど熱湯で茹でる、もしくは炙るなどの処理をされるだけの鶏刺身について、「バクテリアを死滅させるには不十分である」という見解をフード&ワイン誌に語っている。

 また、ニューヨーク州の栄養士クレア・ショレンスタイン氏は鶏刺身を安全に食するには「その鶏肉がどこから来たのかを知る必要」があり、どのように育てられたかを確認する必要があるという。しかし、明確な答えを手に入れるのは難しい質問だ。アメリカで鶏刺身を提供するレストランIppukuでは、小さな農場と契約して鶏が育てられる環境を一定の高さに保っているというが、小さな農場なら安全という保障はない。つまり、「自己の判断と責任で食べる」ことに変わりはないのだ。

◆ 何かと話題を振りまく日本の食
 和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたのは記憶に新しいが、日本の食文化は外国から見るとあり得ないと思われることも多い。納豆やこんにゃく、生卵などは受け入れられてきているが、エビの踊り食いや馬や鯨を食べることには眉をひそめられることが多い。鶏刺身も後者に入る食の一つだろう。国内には、鶏刺身が郷土料理として食されている地域もあるので禁止となったら寂しい気もする。食する時は慎重になって、信頼できる店で体調のいい時にだけ楽しみ、くれぐれも身重の女性に勧めることのないようにしたい。

Text by 西尾裕美