「日本人、鶏の刺身を食べるなんて信じられない!」 海外のSNSで一騒動

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 今年初め、オーストラリアの女性がFacebookに「ミディアムレアのチキン」として投稿した写真が話題になったが、この女性は本当に食べたのではなく、絶対にあり得ない食事の一つとして紹介し、皆がこのジョークを楽しんだ。

 ところが今回、フード&ワイン誌がアメリカ人有名シェフのマーク・マーフィー氏が「鶏刺身」を好んで食べており、アメリカにはカリフォルニアに一軒あるレストランがメニューに置いているのが知られているだけだが、日本ではそんなに珍しくないメニューだとツイッターで紹介して話題になっている。

◆ 写真を見るだけで食中毒になりそうな鳥刺し
 デイリーメール紙はこのツイッターへの返信をずらりと紹介しており、当然ながら、信じられないという反応が多く、あるユーザーは「(鳥刺しの)写真を見ただけで確実に食中毒になる」とまで書き込んでおり、日本人であれば、実際に食べるか食べないかは個人の好みがあるが、「大げさな……」と思ってしまいそうな熱狂ぶりだ。

 しかし、確かに生肉を食べることにはリスクが付いて回る。5年前の7月、厚生労働省は食品衛生法に基づき、牛のレバーを生食用として販売・提供することを禁止した。その後、豚の生レバーも提供禁止に。今後、鶏や馬も生は禁止になるのか、と心配している“生食”ファンもいるだろう。

 現在のところは、レストランなどに完全に生の状態で提供することを控えるように「指導」しているだけの状態であるが、厚生労働省では鶏肉にはサルモネラ菌やカンピロバクター菌が付着していることがあるので、基本的に生食は避けるべきという見解だ。特に、鮮度に関係なく鶏のカンピロバクター保菌率は高いとのことで、前述のフード&ワイン誌は朝日新聞の記事を参照して、「60パーセントのバクテリア関係の食中毒は鶏肉が原因である」と、数字でその危険性を表している。

Text by 西尾裕美