「言葉を失えば文化・考え方を失う」 消滅危機のレズギ語を守ろうと一人の男性が奮闘
レズギ語は、コーカサス諸語の一種で、世界中で約80万人が使用している。アゼルバイジャンとロシア連邦のダゲスタン共和国との国境周辺地域に根付いていた言語で、今も公的な地位を保持している。とは言うものの、レズギ語は国連教育科学文化機関(UNESCO)によって、子供が家庭以外ではほとんど使わず、未来の世代への伝承が危ぶまれる「消滅危機言語」に分類された。
しかし、一人の男がそれを変えようとしている。アゼルバイジャン出身でレズギ語を母語とするジェイフン・アミルハノフ氏は、YouTubeやツイッター、そしてFacebookを駆使して自身のいる地域や文化、そして言語を広めるべく、発信している。彼はグローバルボイスのアウトリーチ事業であるライジングボイスに対し、自身のオンライン活動の背景を語った。
「言語を失うことは、文化そのものや考え方を失うことだ。これは我々だけの問題に限ったことではなく、危険に瀕するほぼすべての言語に言えることだ。(中略)私は、人々に自分が話す言語や文化、そして歴史をもっと意識してほしいと思い、活動している」
彼はYouTubeチャンネルの動画で地元の歌を紹介するほか、コーカサス地方の景色を映し出している。さらに彼は言語そのものに関する動画もいくつか制作している。
以下の動画はレズギ語の早口言葉を6点紹介したものだが、早口言葉というよりむしろ「のど痛め言葉」と言えるかもしれない。レズギ語を学び、専門ウェブサイトを設立したピョートル・コズロフスキー氏は、この早口言葉を発音しようとすると「のどをひどく痛めるのでは」と感じると打ち明けた。
正式な教育や政府の支援がなければ、人々が自身の言語を正確に話すことはむずかしくなる。また、54種類の子音を持つレズギ語は耳慣れない人にとっては非常に難しい言語だ。さらに最近の動画になると、アミルハノフ氏は放出子音に関するミニ講座を提供している。
幸いなことに、レズギ語保護のため取り組んでいるのは彼だけではない。ある別のYouTubeチャンネルは、子供向けのレズギ語講座となっており、故郷の村から遠く離れた場所でも、レズギ語をルーツにもつ子どもたちが母(または父)語を学ぶ機会がまだ残っている。
This article was originally published on Global Voices. Read the original article.
Translated by isshi via Conyac