ブルガリアから東アジアへ。日本のヨーグルトカルチャーの創造

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著:Maria Yotova関西学院大学 Lecturer in Food Culture)

 日本の新しい食のトレンド、それがヨーグルトだ。ヨーグルトの目にも美しいディスプレイは日本の食卓の最新の流行だ。ヨーグルトは日本で人気な食品となっている。

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 今日、何百万人もの日本人が日々の食事の中にヨーグルトを取り入れ、ヨーグルト市場は着実に成長している食品産業新聞デジタル版3月6日付の記事によれば、乳製品に特化した子会社をもつ業界最大手のメーカー、明治ホールディングスの年間売上総額は4100億円(約37億米ドル)にのぼるという。

 日本人には馴染みが薄く、つい35年前までまずいどころか食べられないとまで思われていた食品がどのようにして毎日欠かせない食品、健康と幸福の象徴になったのだろうか。

◆新スーパーフード
 2007年から2012年にかけて私が行なった実地調査の根底にはそのような疑問があった。そこで複数の乳製品企業と消費者双方に調査を行い(英語版および日本語版はこちらから)、ヨーグルトのブルガリアから日本までの時間と空間を超えた変容を観察し、追跡した。

 私は調査対象者に次のような質問をした。「ヨーグルトを食べている時、実際に食べているものが何だと考えますか。ヨーグルトは健康に効果のある菌、おしゃれなトレンド、それとも健康食品ですか?」

 その結果、「科学的に証明された科学的根拠に基づく健康食品」という現在の日本国内におけるヨーグルトの位置づけは、巧みなマーケティングキャンペーンにより作られたものであり、神話を作るブランド戦略を通して従来食されてこなかったこの製品が消費者に定着したことが明らかになった。

 明治のヨーグルトのCMは自社製品の発祥がブルガリアであることを絶賛し、この東欧の国をヨーグルトの聖なる発祥地として紹介している。そして消費者にブルガリアでは乳製品の生産は古くからの伝統であり、「風や水や日光が格別である」ことを伝えている。

 現在では製品の市場シェアが43パーセントを占め、ブランド認知度が98.9パーセントにも上る明治ブルガリアヨーグルトに明治が投資した誘因は何だったのだろうか?

Text by The Conversation