新型プレリュードとGR86、買うならどっち? 米専門サイトが5項目で比較

Damian Dovarganes / AP Photo

 運転を楽しめるクーペはこの数十年で減少傾向にあり、だからこそ新型が登場すれば注目する価値がある。ホンダ・プレリュードは2026年モデルとして26年ぶりに復活を遂げ、いくつか興味深い特徴を備えている。パフォーマンスクーペとは必ずしも結びつかない燃費性能に優れたハイブリッドパワートレインを標準装備し、操縦性と制動力を高める専用のサスペンションとブレーキシステムを組み合わせている。

 新型プレリュードが競うことになる数少ない2ドアのライバルの一つが、トヨタ・GR86だ。後輪駆動、選択可能なマニュアルトランスミッション、手頃な価格という、昔ながらのスポーツカーの方程式を踏襲している。この2台のうち、どちらがより「買い」なのだろうか。自動車ウェブサイト『エドマンズ』の専門家が両車をテストして比較した。なお、本記事で比較する両車はアメリカ仕様で、価格や装備などは日本仕様とは異なる。

◆ドライビングエクスペリエンス
 ここでGR86が最大の強みを発揮する。エドマンズのテストコースでは、マニュアルトランスミッションを搭載したGR86が0-60mph(約0-96km/h)加速6.0秒を記録した。驚くほど速いわけではないが、GR86の228馬力の4気筒エンジンは、高速道路への合流やコーナーからの立ち上がりを楽しむには十分なパワーを備えている。トヨタはオートマチックトランスミッションも用意しているが、こちらは加速が約1秒遅くなる。

 プレリュードの200馬力の4気筒ハイブリッドパワートレインは、GR86ほど力強くはない。エドマンズがテストしたプレリュードは、60mphに達するまでに7.2秒を要した。ホンダのハイブリッドシステムには、従来の意味でのトランスミッションやギアが存在しない。滑らかに走り、渋滞時には非常に快適だが、GR86のエンジンを高回転まで回したときのような、クルマを操る一体感は得られない。

 GR86は、エドマンズが最大の長所と評価する優れたステアリングフィールとバランスも高く評価されている。プレリュードも、この2点では優れている。もっとも、プレリュードは明らかに前輪駆動(FF)らしい特性を持ち、GR86の後輪駆動ならではの魅力を好むドライバーには物足りなく感じられるかもしれない。それでも、プレリュードはクラス最高レベルのグリップ性能を備えた、非常に優れたFF車である。

 僅差ではあるが、より個性豊かなGR86がここでは勝利した。

勝者:トヨタ・GR86

◆快適性と装備
 ワインディングロードを離れれば、プレリュードが一歩リードする。キャビンはより快適で、サポート性の高いフロントシート、高品質な素材、シビックから引き継いだ分かりやすい操作系を備えている。9インチのタッチスクリーンにはグーグルベースのオペレーティングシステムを採用。反応が速く操作もしやすいうえ、アップルカープレイとアンドロイドオートの両方にワイヤレスで接続できる。エドマンズの編集者たちは、日々の通勤でも滑らかな乗り心地をもたらすプレリュードのアダプティブサスペンションも高く評価している。

 GR86はスポーティーさをより強く追求しており、その分、日常での使いやすさは犠牲になっている。速度が上がるとキャビンは騒々しく、インフォテインメントシステムもスマートフォンとの接続が有線のみで、古さを感じさせる。車高が低いため、乗り降りにも多少の労力が必要だ。不快というわけではないが、トヨタが使い勝手よりもドライビングエクスペリエンスを明確に優先していることが分かる。

勝者:ホンダ・プレリュード

◆荷室と実用性
 プレリュードのハッチバック式の荷室容量は15.1立方フィート(約427リットル)で、小型クーペとしては十分に実用的な広さがあり、大半のライバルを大きく上回る。対照的に、GR86はわずか6.3立方フィート(約178リットル)だ。後部座席を倒せば予備のホイールとタイヤ一式を積むことができ、サーキット走行時などには便利だが、荷室そのものが浅く開口部も小さいため、実際に積める荷物はかなり限られる。長距離ドライブから日常の買い物まで、実用性ではプレリュードが明らかに優位だ。

勝者:ホンダ・プレリュード

◆燃費
 ここは勝負にならない。プレリュードのハイブリッドパワートレインは、EPA推定の市街地・高速道路複合燃費で44mpg(約18.7km/L)を記録し、エドマンズのチームによる実走行でも同じ数値を達成した。GR86はマニュアルトランスミッション車で推定22mpg(約9.3km/L)、オートマチック車で24mpg(約10.2km/L)にとどまり、従来型のガソリンエンジンとの効率の差が表れている。GR86を選ぶのであれば、燃料代がかなり高くつくことを覚悟したほうがいい。

勝者:ホンダ・プレリュード

◆価格と価値
 ここでGR86が猛烈に巻き返す。2027年モデルのGR86は、ベースグレードが配送料込みで3万2795ドルからと、新車のパフォーマンスカーとしては驚くほど手頃だ。中間グレードの「プレミアム」は3万5695ドルで、フロントシートヒーター、アップグレードされたオーディオ、アダプティブクルーズコントロール、ブラインドスポット警告などを装備する。

 2027年モデルのプレリュードは、4万3595ドルの1グレードのみとなる。アダプティブサスペンション、本革内装、レーンキープアシストなど、GR86にはない快適装備をいくつか備えているものの、購入価格がGR86より約1万ドル高いという事実は無視しにくい。

勝者:トヨタ・GR86

◆エドマンズの総評
 プレリュードには多くの魅力がある。2台のうち、より快適で、燃費に優れ、実用性も高い。テクノロジー面の充実や広い荷室のおかげで、日常では圧倒的に付き合いやすいクルマだ。こうした理由から、エドマンズの手頃な価格のクーペランキングでは、プレリュードがGR86を僅差で上回っている。それでも、クルマとのより強いつながりを感じられる運転体験を求めるのであれば、GR86も候補から外すべきではない。

※この記事は、自動車ウェブサイト『エドマンズ』からAP通信に提供されたものである。ジョシュ・ジャクオットはエドマンズの寄稿者である。

Text by AP