「最後に最高傑作」米メディアがGRスープラMkVを再評価「こんなに良いクルマだったのに」

Toyota Motor Sales, U.S.A., Inc.

 トヨタGRスープラ MkVの終幕が近づく中、アメリカの自動車メディアでは2026年モデル「GRスープラ MkV ファイナルエディション」を「シリーズ最高到達点」と評価する声が相次いでいる。

 現行MkVスープラは2019年に登場。BMW Z4との共同開発やBMW製直列6気筒エンジン採用を巡り、「BMWのリバッジ車」との批判も受けてきた。一方、販売終了を前に公開された各メディアの最終試乗レビューでは、「実際には優れたスポーツカーだった」とする再評価論が強まっている。

 米カー・アンド・ドライバーは、『Saving the Best for Last(最後に最高傑作を持ってきた)』との見出しでレビューを掲載。

 同誌は、ファイナルエディションで実施されたブレーキ強化やサスペンション変更、ステアリング制御最適化などに触れ、「最もシャープで、最も研ぎ澄まされたスープラ」と評価。ステアリング応答性やブレーキフィール、コーナー立ち上がりでのトラクション性能向上などを挙げ、「シリーズで最も完成度が高い仕様」と位置付けた。

 さらに、「アイデンティティ危機はあったが、忘れ難い独日ハイブリッド車だった」と締めくくり、BMW共同開発を巡る論争を超えた存在になったとの見方を示した。

 米モータートレンドも、『You All Were Wrong About This Car(あなたたちはこのクルマを誤解していた)』との強いタイトルでレビューを公開。MkVスープラについて、「期待に押し潰されたクルマだった」と指摘した。

 同誌は、「BMW製」という批判について「不公平だった」とし、「良いエンジンは、誰が作ったかに関係なく良いエンジンだ」と評価。BMW製「B58」直列6気筒ターボとトヨタのシャシー制御の組み合わせを高く評価した。

 また、「MkVの悲劇は消えることではない。本来与えられるべき評価を受けられなかったことだ」と総括している。

 米ザ・ドライブも、『This Should Have Been a Bigger Deal(もっと大きな話題になるべきだった)』との見出しでレビューを掲載。

 同誌は、「クルマが退屈になったと言われる時代に、スープラは間違いなく刺激的な存在だった」と評価したほか、「ドライバーをヒーローに感じさせるクルマ」と表現した。

 ファイナルエディションは382馬力の3リッター直列6気筒ターボを搭載し、6速MTと8速ATを設定。現行MkVスープラは2026年モデルをもって生産終了となる見通しだ。

 発売当初はBMW由来の設計を巡って賛否を呼んだMkVスープラだが、終幕を迎える今になって、アメリカでは「実際には優れたスポーツカーだった」との見方が広がりつつある。

Text by 白石千尋