「大きな進歩だ」米のトヨタEV「bZ」、343馬力、航続500キロ デザインも好評

© 2025 Toyota Motor Sales, U.S.A., Inc.

 トヨタは今秋、EV「bZ4X」を大幅改良し、「bZ」に改称した新型車をアメリカ市場で発売する。パワーアップした動力性能、より長くなった航続距離、テスラのスーパーチャージャーに対応するNACSポート採用など、多くの点で進化を遂げている。

◆最大出力338hpに強化、航続距離も向上
 新型bZの最大の魅力はパワー性能だ。最高出力が338hp(343PS)に達し、先代から124hp(126PS)強化された。カー&ドライバー誌は「大きな進歩」だと評価する。最もパワフルなグレードでは0-100km加速がわずか4.9秒になる見込みだ。

 航続距離も大幅に伸びた。bZは最大約505キロ走行可能で、旧bZ4Xから25%向上している。モータートレンド誌は、これがバッテリー容量の大幅増加ではなく、システム効率の改善で実現したことに注目する。

 エントリーモデルも刷新された。57.7kWhの小型バッテリーを搭載した低価格モデルも用意され、約380キロの走行距離を確保した。このモデルの出力は168hp(170PS)にとどまるが、最も手頃な選択肢になりそうだ。

◆デザイン刷新とテクノロジーの進化
 外観デザインも洗練され、魅力が増した。新型bZはデイタイムライトが新しくなり、左右のライトが一文字のバーで連結されている。ボディ同色のフェンダーパネルも選択可能になり、外観の質感が向上した。

 室内も大きく進化した。全グレードに14.0インチの大型タッチスクリーンが標準装備される。ダッシュボードはシンプルになり、物理的な操作ノブも追加された。センターコンソールも見直され、2台分のワイヤレス充電スポットが設けられている。

 モーター・トレンド誌は「前モデルよりも優れたEVとなることは疑いようがない」と述べつつも、競合他社の進歩が著しいEV分野だけに、試乗するまでは評価を保留したいとしている。

◆「ずっと良くなった」デザイン変更がおおむね好評
 カー&ドライバーの読者たちは、デザインの改良を歓迎している。

 「フェンダー部分をボディ色と合わせたことでルックスが良くなるなんて、想像もできなかった」

 「ずっと見栄えが良くなったと思う」

 一方、充電性能に不満が残るとの声もある。

 「DCの最大充電速度は、まだまだ最先端技術から大きく遅れている」

 あまりの進歩の早さに、EVはリースでしか乗りたくないとの声もあった。

 「だからEVはリースに限るし、絶対に買わない。(旧型の)bZ4Xは今や、iPhone 4のようなものだ」

 カースクープスの読者も、デザインの変化に注目している。

 「ずいぶん良くなった」

 「トヨタはやっと十分なペンキを確保できたらしい」(旧型のフェンダーが黒一色だったことを受けて)

 ただし、どうにも受け入れがたいという人もいる。

 「名前は少し良くなったし、見た目もちょっとは良くなったが、それでも『うーん』という感じ」

 個性的なデザインだけに、好みがはっきりと分かれている。

Text by 青葉やまと