変貌するアウトバック、米ファンから悲しみの声あふれる「屈したようで残念」

Subaru of America, Inc.

 国内では3月末をもって現行型の販売終了となるスバル・アウトバック。アメリカ市場では2026年モデルから、ワゴンからSUVへと大きく姿を変える。現地ファンの反応は芳しくないようだ。

◆脱ステーションワゴン化にファンは拒絶反応
 アメリカで300万台の販売実績を持つアウトバックは、1995年にレガシィワゴンをベースに開発されたステーションワゴンとして知られている。
 
 米自動車専門誌のカー&ドライバー(2月1日)によると、「2026年モデルは完全なSUVへと移行し、ワゴンとしての形状を放棄する」という。この変更について、現行モデルのオーナーたちからは「様子を見てみよう」から「これが最後の(真の)アウトバックになりそうだ」まで、さまざまな反応が寄せられている。
 
 米版サン紙(1月21日)によると、ソーシャルメディア上では「フォレスターやアセントといったSUVと同じように見える。もはや車高の高いワゴンとしてのアウトバックではない。この自動車メーカーは本質を理解していない」といった批判的な声が上がっているという。

◆好調のSUVセグメントへシフト
 サン紙は大幅な変更の背景に、近年のアウトバックの販売不振があると指摘する。スバルの小型クロスオーバーSUVであるクロストレックや、中型SUVのフォレスターの販売が好調な一方で、アウトバックの売り上げは伸び悩んでいた。

 カー&ドライバー誌(1月20日)は、2026年型スバル・アウトバックについて詳細な予測記事を掲載した。ハイブリッド・パワートレインの導入が確実視されており、現行モデルで採用されている182hpの2.5リットルエンジンと260hpのターボ付き2.4リットルエンジンが、改良を加えた上で続投となる見通しだという。
 
 販売価格は、現行モデルの3万430ドル(約470万円)という基本価格を維持する方針で、発売時期は2025年半ばから後半になると予想している。

米誌撮影の26年型アウトバックと思われるテスト車

◆「本当に残念」「ワゴン派が屈した」の声
 カー&ドライバーの記事を受けて読者たちは、アウトバックのSUV化にについて深い失望感を露わにした。

 「本当に残念だ。すでにSUVはさまざまな車種が出ており、クロストレックや、最新アップデートで少し大きくなったフォレスター、アセントがある。現行のアウトバックは売れているので、手を入れる必要はなかった」

 「まずスバルはWRXの5ドアを廃止した。そして今、アウトバックをありふれたSUVに変えようとしている。ワゴン派の代表格が降参したように感じられ、残念だ」

 「スバル車は決して美しい部類の車ではないが、スタイリングは悪くなかった。しかし、今は明らかに悪い方向に進んでいる。ポジティブな面を挙げるとすれば、SUVの視認性は良いかもしれない」

 ステーションワゴンの印象が強いアウトバックだけに、変化を受け入れられないスバルファンは多いようだ。

Text by 青葉やまと