シリコンバレーの富豪が出資する「ユートピア都市」構想とは 8億ドルで土地購入

カリフォルニア州ソラノ郡のトラビス空軍基地とその周辺の航空写真|Dicklyon / Wikimedia Commons

◆カリフォルニア・フォーエバーの構想とは
 土地の売買が完了し、このたび、カリフォルニア・フォーエバーの概要が明らかになった。今後、地域の開発を進めていくためには、住民の理解を得るとともに、土地の用途に関するゾーニング規定の変更などを進めるために、地域政府とも連携していく必要がある。現時点でも、詳細な開発計画は明らかにはされていないが、カリフォルニア・フォーエバーのウェブサイトには、5つの原則が記載されている。その1つが建設、エネルギー、サービスをはじめとする各産業領域における、地域住民のための雇用創出。2つ目が新たに住宅を建設するとともに、歩いて移動できる地域(walkable neighborhoods)を作ること。3つ目がエネルギー、交通、水道、森林火災からの保護といった必要なインフラ課題を解決すること。そして、4つ目が陸軍基地の維持、5つ目が農地の維持である。

 サンフランシスコ周辺のいわゆるベイエリアという地域は、住宅難の課題を抱えている。住宅価格を含め、さまざまなコストも高騰している。カリフォルニア・フォーエバーは、こうしたベイエリアの課題を解決し、新しい「ユートピア」都市を作ることができるのだろうか。それとも、シリコンバレーの大物たちが構想する投機的な夢プロジェクトに過ぎないのだろうか。今後の動向に注目したい。

Text by MAKI NAKATA