動物の細胞を培養した肉、米で販売承認 シンガポールに次いで2ヶ国目
細胞培養肉が初めてアメリカで販売許可された。環境への負荷が少ない「肉」として期待される培養肉だが、流通が広がるためにはコストが下がる必要がある。
◆米農務省が販売許可
米農務省(U.S. Department of Agriculture:USDA)は21日、カリフォルニア州の2社、アップサイド・フーズ(Upside Foods)とイート・ジャスト(Eat Just)が開発する、培養された鶏肉の販売許可を下した。2社はすでに、これに先駆けて米食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)から培養肉の承認を得ており、農務省からの承認を受けて本格的な市場展開を開始する。
現在、世界でも培養肉が販売されているのはシンガポールのみ。イート・ジャストは、2020年12月に培養鶏肉の販売許可を取得し、グッド・ミート(Good Meat)と名付けられた自社の商品をシンガポールにあるフーバーズ・ビストロというレストランで販売している。グッド・ミートを使ったメニューの注文は予約制になっており、現時点ではその枠はすべて埋まっている。現状、シンガポールの工場では週に2〜3キロぐらいの量しか製造できないようだ。
培養肉を使ったハンバーガーが2013年に初めて世の中に出現したが、その時の製造コストは33万ドル(約4700万円)。以後、各社が市場化に向けた開発に乗り出していた。
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