シャネルがセネガルのショーで独自アプローチ 試みは成功するか

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 西アフリカのセネガルの首都ダカールで6日、シャネルのファッションショーが開催。欧米ブランドが「アフリカ」を題材にすることに関しては、文化盗用などの議論が巻き起こることも少なくないなか、今回のショーはアフリカのクリエイターたちを巻き込んだインクルーシブなものであったようだ。その詳細とは。

◆職人の芸術、メティエダール・コレクション
 フランスのラグジュアリーブランドのシャネルは年2回、ファッション・ウィーク期間中にパリで開催されるプレタポルテ(高級既製服)のコレクションや、高級リゾートやバカンスにインスパイアされたクルーズ・コレクションなどに加え、毎年12月にメティエダール(Métiers D’Art)・コレクションを発表している。メティエダールは、匠といったニュアンスがあるフランス語。シャネルの解説によれば、それは「伝統的な技巧と研ぎ澄まされた職人の技術により、唯一無二の特別なクリエイションへと昇華させる芸術を指す言葉」だ。

 このコレクションは、2002年にパリにあるシャネルのオートクチュール・サロンで初めて開催された。その後、2004年は東京・銀座、2005 年はニューヨークにおいて、それぞれのシャネルの店舗でショーが開催。ほかにも、モナコ、上海、エディンバラ、ザルツブルグなどさまざまな場所が開催地に選ばれてきた。

 今回、メティエダールのショー開催地に選ばれたのは、西アフリカに位置するセネガルの首都ダカール。ショーは、カール・ラガーフェルドの後任デザイナーのヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)と、コラボレーションに協力したさまざまなクリエイターらが、3年かけて準備してきたものだという。新型コロナウイルスのパンデミックの影響も受け、開催延期となっていたものがようやく実現した。

Text by MAKI NAKATA