米ニュースサイト「アクシオス」が身売り ローカルニュース強化なるか

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 米国のニュースメディアスタートアップ、アクシオス・メディア(Axios Media Inc.、以下アクシオス)は、既存の投資家であるコングロマリット企業、コックス・エンタープライズ(Cox Enterprises)に5億2500万ドルの価格で買収されることで合意した。アクシオスの変遷、そして買収合意の内容とは。

◆メディアスタートアップのアクシオスとは
 アクシオスは2017年1月にスタートした新興メディアだ。3人の共同創業者であるジム・バンデハイ(Jim VandeHei)、ロイ・シュウォーツ(Roy Schwartz)、マイク・アレン(Mike Allen)は、別の政治ニュースサイト「ポリティコ(Politico)」の出身。それぞれ、共同創業者兼CEO、チーフ・レベニュー・オフィサー(営業部門トップ)、チーフ・ホワイトハウス担当記者という立場にいた政治メディアのプロフェッショナルたちだ。バンデハイは、2006年にポリティコを立ち上げる前は、ワシントン・ポストとウォール・ストリート・ジャーナルで政治記者を務めていた。

 アクシオスは、よりスマートに、より速く、重要な情報を提供することをミッションに掲げている。アクシオスのメディア部門が運営するウェブメディアの記事は、箇条書きを多用した簡潔なスタイルが特徴的である。ウェブメディアは政治・政策のほかに、テクノロジー、エネルギー・環境、経済ビジネス、科学、ヘルス、スポーツ、世界情勢といったセクションが設けられ、米国の24都市におけるローカルニュースの配信にも注力している。また、アクシオスはソフトウェア事業であるアクシオスHQも展開する。同社はより効率的なコミュニケーションをサポートする編集ツールやテンプレートなどのプロダクトを提供し、この事業はアクシオスメディアの収入源の一つだ。

 アクシオスによると、メディアの収入はソフトウェア事業のほかに、企業がプロダクトではなくCSRの取り組みを発信するCSR広告記事、ニュースレターなどに含まれる広告、スポンサーイベント、アクシオス・プロが同社の収入源となっている。アクシオス・プロは、今年ロンチしたより専門性の高いニュースレター配信サービスで、年間600ドル(約8万円)で1回のニュースレターを受け取るか、年間1800ドル(約24万円)ですべてのプロニュースレターを受け取るかという2つの価格帯が設定されている。

Text by MAKI NAKATA