待望のGRスープラMTモデル、英メディア「これまででベスト」「ケイマンには?」

トヨタ自動車

 トヨタ の2ドアスポーツクーペ「スープラ(GRスープラ)」に待望のMTモデルが登場する。一足早く6月からの販売となるイギリスでは、トヨタの熱意を感じる個性的なモデルだとして評判だ。

◆特注部品のギアボックス
 GRスープラに用意されたMTモデルは、安価なエントリーグレードのトリムでも利用可能だ。英オート・エクスプレス誌(6月7日)は、3.0Lスープラの全販売数のうち、MT車は35%を占めるにすぎないとの予測を取り上げている。今日スポーツカーが売れないことを考えると決して悪い数字ではないが、トヨタとしては小規模なビジネスとなる。

 同誌は豊田章男社長の熱意で実現したモデルだと紹介しており、実際の仕上がりにも非常に満足した模様だ。記事は「スペインのモンテブランコ・サーキットをほんの何周か走っただけで、その(MTモデル開発の)努力のすべてが、確かに報われるだろうと感じられた」と評している。記者は「極限すれば、これまで乗ったGRスープラのなかでもベストなバージョンだ。GRスープラには何かが欠けているように感じてきたが、この6速MTがもたらす没入感により、さらに完璧なスポーツカーとなったのだ。」と続ける。

 量産車の製造を得意としているトヨタだが、これほどまでに個性的なクルマでMTモデルを投入したことで、意外に感じた人々も多いようだ。英オート・カー誌(6月1日)は、プリウスなど量産車の提供で知られてきたトヨタだったが、「説明しがたい魅力を愛する人々の好みに合うようなクルマの一大供給者ともなった」と述べており、大胆な戦略だと受け止めたようだ。

Text by 青葉やまと