ストリーミングCNN+、なぜ1ヶ月で終了なのか 競争はさらに激化

CNN+ via AP

◆CNN+の苦戦と業界の競争激化
 テッククランチによると、CNN+はロンチ当初から苦戦を強いられていたようだ。専用のモバイルのダウンロード数は、初日は1万8000件。その後7日間における1日平均は約9000件であった。ロンチ予算はCNN自体の通常の年間予算をはるかに上回る2.5億ドル。競合の一つ、ディズニープラスも2020年の上半期、約1.4億ドルの予算をテレビCMに投入したとのことだ。今年の2月時点で、ディズニープラスの会員数は、グローバルで1.3億人に達したと発表されている。ネットフリックスの現時点の会員数は世界で約2.2億人だ。

 CNN+終了の発表は、奇しくもネットフリックスが、直近の四半期では、過去10年間の記録で初めて会員数が減少したと報告した直後のことであった。さらにネットフリックスは、次の3ヶ月間において、約200万の会員数減少を予測しているようだ。

 CNN+の終了や、ストリーミング・サービスを牽引するネットフリックスの会員数減少のトレンドは、ストリーミング・サービス市場のさらなる競争の激化を示唆している。さまざまなストリーミング・サービスやサブスクリプション・サービスが展開するなか、消費者の支払い意欲にも限界がある。今後、サービスのバンドル化など新たな商品やビジネスモデルの展開が求められる。

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Text by MAKI NAKATA