新興国デジタルメディアの現状、抱える課題 米NPOが12ヶ国200団体を調査

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 スペイン語系デジタルメディアの支援を中心に活動する非営利団体センブラメディア(SembraMedia)は、ラテンアメリカ、東南アジア、アフリカのデジタルメディア起業家の調査を基にした報告書を発表した。主な調査結果とは。

◆新興国のデジタルメディアに光
 センブラメディアは昨年11月、グローバル慈善団体ルミネート(Luminate)の資金援助を受けて実施した調査をもとに「インフレクション・ポイント・インターナショナル:ラテンアメリカ、東南アジア、アフリカのデジタル・メディア起業家のインパクト、イノベーション、脅威、持続可能性に関する調査(Inflection Point International: A study of the impact, innovation, threats, and sustainability of digital media entrepreneurs in Latin America, Southeast Asia, and Africa)」と題した報告書を発表した。

 センブラメディアは2016年、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、メキシコにおける100人のデジタル・ネイティブ・メディア起業家へのインタビューをもとにした調査研究を実施。2020年のパンデミックとロックダウンによって、グローバルレベルではマスメディアの広告収入が激減したことを受け、2021年、調査対象地域を拡大して新たな調査を実施。今回の調査では初回の調査対象であったラテンアメリカ4ヶ国の100のメディア起業家に加え、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、南アフリカのアフリカ4ヶ国における49のデジタルメディア団体、インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイを含む東南アジア4ヶ国における52のメディア団体が対象となった。インタビュー調査は2〜3時間にわたるもので、コンテンツ、インパクト、報道の自由、ジャーナリストの身の安全、収入源とコスト、チームなどさまざまなトピックに関する500の質問項目が含まれた。

 調査報告書は、昨今ようやくその重要性が認識されるようになったデジタル・ネイティブ・メディアの活動と功績に光をあてることを目指している。調査結果や提案内容が、メディア団体で活躍するジャーナリストの安全性の確保や、その体制強化に必要な資金の獲得をもたらすことが、この報告書の意義である。

Text by MAKI NAKATA