「先代より覚醒」「武骨な魅力」スバルWRX新型、米誌試乗レビュー

スバル

 インプレッサとデザインを一部共有してきたスバルWRXが、完全な独自デザインで2022年春に登場する。新プラットフォームと最新エンジンの搭載で、乗り心地もパフォーマンスもいっそう強化された。フェンダーのデザインにこそ賛否があるが、米誌もパフォーマンスには納得のようだ。

◆無骨な魅力
 WRXはインプレッサと同じくスバル・グローバル・プラットフォームを採用しているが、新型では初めてインプレッサと完全に独立したデザインが施された。米カー&ドライバー誌(2021年12月20日)は、「インプレッサとはエクステリア・パネルの1枚たりとも共通していない、完全に独自のデザイン」になっていると解説する。同誌はほかのスポーツ系4ドアとも明確な違いを感じるとし、「小綺麗なデザインというと少し違うが、無骨な魅力がそこにはある」と述べている。シャープなボディーライン、ボンネット上で存在感を放つフードスクープ、炎のように赤いテールライトなど、力強さを感じさせるスタイリングだ。

 既存モデルとの違いとして最も目立つのは、グリルとスクープがより幅広になった点だろう。さらに、オーバーフェンダーは厚みが増したうえ、ブラックの樹脂製パーツとなった。以前よりも主張するデザインとなったフェンダーに関しては、ファンのあいだでも賛否が分かれている。米モーター・トレンド誌(2021年12月20日)は、「ネット上の拒絶反応の100%」がフェンダーに起因するものだ、とやや誇張して紹介している。ただし、この樹脂製フェンダーは、空力特性を向上させる効果を持つ。表面は微細な六角形の凹凸が浮かび上がるよう処理されており、これによってフェンダーからの排気の気流を整える効果を生んでいる。

Text by 青葉やまと