「最大のヒットになる可能性」コンパクトクルーザーEVに米誌興奮 新型EV15車種発表受け

トヨタ自動車

 トヨタは12月14日、バッテリーEV戦略に関する説明会を開催し、開発を進めているトヨタ・レクサスブランドのBEV15車種を一斉に披露した。EVへの積極姿勢を感じさせるラインナップには、個性的なデザインが揃う。そのひとつである小型EV SUVのコンセプト「コンパクトクルーザー EV」がアメリカにおいて、ランドクルーザーの小型版、あるいは往年のFJクルーザーの復活という位置づけで注目されている。

◆FJクルーザーのデザイン性を受け継ぐ
 コンパクトクルーザー EVの特徴は、レトロな味わいと無骨なスタイリングにある。懐かしさ溢れるグリルにはTOYOTAの文字が輝き、水平に並ぶLEDヘッドライトはランドクルーザー J80のようだ。樹脂製パーツを積極的に取り入れ、ボリューム感あるテイストにまとめ上げた。米カー・スクープ誌(12月14日)は、「たくましいスタイリングとカラー・コンビネーションはすぐさま、2006年のFJクルーザーを想起させる」と述べ、往年の名車との共通項を指摘している。対照的に内部では、デジタル化されたメーター群と大型タッチスクリーンを装備した。昔ながらのテイストを捨てるべきところは捨て、積極的に近年のテクノロジーを取り入れている点は頼もしい。

 コンパクトで可愛らしいデザインのコンパクトクルーザー EVは、今回披露された新モデル群のなかでも抜群の人気を得る可能性がありそうだ。米オート・ブログ(12月14日)は、「将来のEV軍団を紹介するトヨタの写真において、後列左隅に追いやられているモデルこそ、まず間違いなくこれら全車種のなかで最大のヒットになる可能性を秘めている。すなわち、コンパクトクルーザー EVだ」と述べる。パワートレインなど詳細なスペックは公表されていないが、トヨタには本格派オフロード車を作ってきた実績がある。本モデルもクリアランスが十分に確保されていることなどから、岩場や泥地など厳しい条件での走行も期待できるのではないかと同誌は予測している。

Text by 青葉やまと