円熟のデザイン、MTの楽しさ… 新型シビックハッチバック、米誌揃って高評価

本田技研工業

◆MTの選択肢が生き残る
 ドライブトレインで特筆すべき点として新型シビック ハッチバックは、近年姿を消しつつあるMTの選択肢を残している。カー&ドライバー誌は加速感などスペック面での優位性はそれほどないと断ったうえで、「それでもマニュアルの方が疑いなく楽しいものだ」と述べ、アコードでは姿を消したMTの生き残りを歓迎する。クラッチの操作感覚は良好、そしてシフトノブの反応も良く使いやすかったとのことだ。

 MT以外のユーザーは、CVTを選択することになる。同誌は最上位の「スポーツ・ツーリング」トリムに試乗し、MTかCVTかを問わず安定した走りを実感できたとしている。快適な乗り心地、確かなハンドリング、そしてつづら折りの道を攻めても驚くほどの安定性を感じたという。スポーツセダンというよりも、小さなアコードという印象を受けた、と同誌は述べる。

 米モーター・トレンド誌(10月12日)も「伝統的にホンダのMTは業界でもベストな部類のエンジニアリングを保ち続けているが、このクルマにおいてもそれに変わりはない」と述べ、MTの実力を評価している。スポーツ・ツーリングに試乗した同誌は、狙ったタイミングでクラッチを切り、セカンドまで一気にシフトダウンしてフロントタイヤを鳴らすなど、思いのままの走りを楽しんだようだ。なお、CVTについてはパドルシフトの効果が想像を上回らなかったという。ただしスポーツモードでエンジンを追い込めば、かなりアグレッシブな走りをこなせたと同誌は振り返る。

◆差額なしでMTを用意
 2022年型ホンダ シビック ハッチバックは、アメリカでは4トリムで登場する。2リッター自然吸気エンジン搭載の「LX」および1.5リッターターボエンジン搭載の「EX-L」は、CVTのみに対応する。「スポーツ」(2リッター自然吸気エンジン)および「スポーツ・ツーリング」(1.5リッターターボエンジン)では、同額でCVTまたはMTを選択可能だ。ベース価格は2万3915ドル(約273万円)からの設定で、現在すでに米国で販売中となっている。

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Text by 青葉やまと