「歓迎すべき新顔」欧州発売トヨタ ヤリスクロス、英誌「大胆なルックス、高い効率性」

トヨタ自動車

 トヨタ ヤリスクロスが9月、欧州市場で待望の発売を迎えた。国内では昨年8月に発売され、瞬く間に売れ筋となっている。ヨーロッパでも需要が殺到するとの読みが出ており、イギリスでは早くもヤリスに次ぐ売り上げを記録するのではないかと睨む記事も登場している。走りにこそ突出した点はないものの、個性的なルックスとハイブリッドがもたらす燃費性能、そしてセグメントではめずらしい4WDオプションが話題だ。

◆小型SUVセグメントの「歓迎すべき新顔」
 コンパクトSUVとしてはやや後発気味で欧州市場へと送り出されたヤリスクロスだが、英オート・カー誌(8月31日)は戦略的に重大な位置を占めるクルマになるだろうと予測している。「ヤリスに続き、この自動車メーカー(トヨタ)の第2の売れ筋になるとみられる」と述べ、早くも好調なセールスを予測している。全般として実用性やドライビング・ダイナミクスの点ではライバルに譲る点があるものの、「大胆なルックス、高い効率性、良質なインテリアに、ほどよいドライブの楽しみ」といった長所を備え、SUVセグメントにおいて購入者の選択肢を豊かにする「歓迎すべき新顔」になっているとの評価だ。

 注目すべきは、コンパクトSUVとしては希少な4WDモデルの存在だ。英テレグラフ紙(8月31日)は、「そう、おおかたのライバルSUV勢とは異なり、このヤリスクロスは4×4タイプも用意する」と述べ、悪路への順応性を評価している。前後輪の駆動配分は可変で、ドライバーの操作や走行状況に応じ、100対0から40対60までの間で変化する。スモールSUVで駆動比を変化させている例としては、ジープ レネゲード 4×4のようにトランスファーボックスを通じて機械的に配分しているケースがある。これに対してヤリスクロスの場合、電気モーターの低回転域のトルク特性を生かすことで、泥道からの力強い脱出など困難な路面状況をサポートする。機械的な機構を備えないことから、重量を軽量化できる点がメリットだ。

Text by 青葉やまと