ベルギーの修道院ビール、200年ぶりに製造再開 クラフトビールブームで復活

NeydtStock / Shutterstock.com

◆時代の流れに勝てず 伝統のビールが消えていく
 グリムベルゲンでは企業と修道院のコラボがウィンウィン関係をもたらしているが、修道院ビールの未来は明るいものばかりではない。修道院ビールで最も有名なトラピストビールは、トラピスト会修道院でだけ作られ、厳格な基準を満たしたものだけにロゴ使用が認められている。しかしその一つのベルギーのアヘルが、最近リストから外れたと報じられている。

 ブリュッセル・タイムズ紙によれば、理由はアヘルを作る修道院にもう修道士がいなくなったからだという。トラピストビールは現存し活動している宗教コミュニティ内でしか製造できないという条件がある。ここ数年アヘルは別の修道院の修道士が作っており、製造販売は可能だが、トラピストビールのロゴが使用できなくなるという。時代も変わり、伝統の維持は内部の力だけではますます困難になっている。

【関連記事】
大量廃棄される生ビール コロナ封鎖に泣く米ビール業界
同じ味ばかりのラガービールに飽きた? アジアでクラフトビールの人気が上昇中
苦いビールもルターのおかげ? 宗教改革から500年、現代への影響あれこれ

Text by 山川 真智子